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二対一の闘い

関羽は大会の理事長である何進の元に行くと、慇懃に頭を下げた。


「理事長、申し訳ありませんが、メンバーの劉備が逃げてしまいましたので、代わりの生徒をレギュラーに、試合を行いたいのですが」

何進は白髪混じりの女理事長である。柔軟な対応ができない人物である。


「ならん、ならん、駄目よ。そんな不正を許すわけにはいかないわ」

案の定、予想通りの答えが帰って来た。三年生はのた大会が最後のチャンスである。ここで退けば、屈辱の引退となる。こんな形で負けるなんて、恐らく誰も納得しないだろう。


「お待ち下さい」

関羽の脇から、美しく伸びた金髪を風に靡かせながら、袁紹が現れた。

「袁紹?」

「関羽は下がってなさい。理事長、私からもお願いします。私達も成都高校との試合を楽しみにしていました」

「ふうむ、お主らが言うならば、認めてやらないこともないが」


何進は顎に手を当て悩んだふりをしていたが、袁紹はさらに付け加えて言った。


「理事長のご意見は最もですわ。こんな不正を認めては、他校にも示しが着かない。でもご安心を。とても良いことを思い付きましたの」

「何だ?」

「まずは我らに劉備の分、つまり一勝を下さい。そして、第一試合は、ここにいる関羽と、我が部の精鋭二人を闘わせ、勝った方が二勝を得る。これならば、皆も納得するでしょう」


袁紹は関羽をチラッと見た。彼女は自分達に圧倒的に有利な条件を突き付けて来たのだ。しかし、元を正せばこちらの不手際、それも反則負けになるところを、袁紹に思いがけず助けられたので、関羽はもちろん、何の迷いもなく頷いた。


その後、袁紹は関羽の元に近付き、その肩を叩いた。


「良かったわね。私が優しい人で」

「ああ、感謝する。しかし、二対一とは驚いた。私を勝負に負けさせて、恥を掻かせるつもりだな」

関羽は袁紹の底意地の悪さに微笑んで言った。憎たらしさもここまでくると愛嬌である。彼女には袁紹の性格の悪さが、ひしひしと伝わって来ていた。


「次の試合、あなたの相手は、我が部の精鋭二人、顔良と文酷ですわ。楽しみになさい」

一人でも強いエース二人を同時に相手にする。流石の関羽も引くと思われたが、寧ろ、彼女は自身のやる気を燃やしていた。


試合開始の銅鑼が叩かれた。顔良と文酷は二人だからと言って、油断するつもりは無いらしい。二人で間隔を空けて、関羽の元に近付いて行く。丁度、関羽を挟み撃ちにする形である。



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