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女だらけの地区大会

いよいよ、地区大会の本戦が始まろうとしていた。まず、くじ引きによる抽選での組み合わせが発表された。


その中でも特に参加者の眼を引いたのが、第一回戦の洛陽学園と許昌高校の対決だった。洛陽学園は、かつては弱小校として知られていたが、呂布奉先を始めとして、華雄、高順などの強豪により、去年は全国まで駒を進めている。


対する許昌高校は、去年の大会でも高い成績を納めている。部長の曹操孟徳のカリスマ性により、全国から、様々な生徒を引き抜き、名実共にトップ校として、江東高校に対抗できる、唯一の存在と言われていた。


波瀾の戦いは、許昌高校の勝利に終わった。


先鋒、許昌高校の夏候惇が洛陽学園の王方を倒し、続いて、次鋒の楽進が張斉を降した。そして三試合目、李典が徐栄を倒したことにより、大将戦を待たずして、許昌高校の勝利に終わった。


「くそ、初戦敗退だなんて」

髪を一本に結び、いかにも真面目そうな少女が悔しげに、地面を叩いていた。

「心配するな高順、まだ三位決定戦がある」

高順の背後から呂布が現れ、彼女の片を叩いた。


「しかし、だとしても幸先悪すぎる」

「レギュラーを入れ替えよう。次は張遼を連れて来る」

「あいつはまだ一年よ」

「一年でもレギュラーはいる。例えば、成都高校の劉備は一年でレギュラーを勤めている。あいつは中々に強いらしいぞ」


いよいよ、成都高校の試合が始まろうとしていた頃、何故か、劉備の顔色が優れないことに気が付いた諸葛亮が、彼の元に駆け寄って言った。


「気分でも悪いですか?」

「ああ、実はさ、この前華雄の奴を追い掛けて他校まで行ったんだが、まあ、色々あったんだ」

劉備は後ろめたいことがあるらしく、それ以上は話そうとしなかった。しかし、諸葛亮はマネージャーである。選手の管理は彼女の仕事だ。だから、今日は彼女も引き下がらない。


「どうしたですか。私に教えて下さいです」

「あはは、やっぱり許してくれないか」

「とーぜんです」

 思い出すだけでも恐ろしい気分になる。劉備は先日の出来事を静かに語り始めた。



 劉備は冀州大付属高校という、県内でもトップクラスの名門高校辿り付いた。吹き飛ばされた華雄を追い掛けて来たのである。


「うひょお。美人ばっかりだぜ」

 この時の劉備は知らないが、流石に名門私立校だけあって、在学する女子は皆、品性溢れる美少女揃いだった。白い制服に胸元には真っ赤な大きなリボン、これだけで劉備は飯が何杯もいける気がした。


 そこに、一際眼を引く容姿の女性が、左右に二人の取り巻きを引き連れて、劉備の前の前に現れた。その女性は、流れるような金髪に碧眼、西洋風の顔立ちの美少女だった。


「あ、ああ・・・・」

 あまりの美しさ、神々しさに、劉備は用いる言葉すら忘れた。

「あなたは?」

 金髪の美少女は、まるで小汚い物を扱うような眼で劉備を見ていた。

「お、俺は劉備元徳って言う者で・・・・」

「ふん、あなたの名前なんかに興味ありませんわ。どうせ、貧民の出なのでしょう。見た目から察するに、田舎で蓆でも作っているのがお似合いですわ」


 劉備は少しがっかりした。いくら顔良し、スタイル良しでも、この言い草では百年の愛も冷めるというもの。


「そ、そっちこそ何者なんだ?」

(わたくし)を知らない?」

 少女は信じられないという眼で、左右の取り巻きの女子を見た。

「顔良、文醜、今のお聞きになって?」

「はい、聞きました。信じられないことです。父は冀州大付属の理事長にして、経済のトップに君臨する袁家コンツェルンの代表取り締まる役で、母は有名な音楽家の、正に名門の出である袁紹様を知らないだなんて」


 劉備は何だか面倒になった。この三人のコントをこれ以上見るのが苦痛だからだ。

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