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洛陽最強の女

 成都高校強化週間が始まった。劉備達は早速グラウンドに集まっていた。


「さあ、いよいよ来週は本大会が始まる。今日は皆で演習訓練を行う。各自、二人組になれ。ちなみに、劉備は私と組むから、そのまま体育館裏にまで来い」

「へ?」

 劉備は事態が呑み込めないまま、関羽の後に付いて行った。関羽は長い黒髪をシュシュで一本に結ぶと、青竜偃月刀を持って、体育館の壁を背に劉備の方を振り向いた。


「あの時、お前は孫権との試合で何をした?」

「何って、鉄の玉を撃ち返してやったんだよ」

「孫権は「気」の力を使っていた。気は気でしか跳ね返すことはできない。つまり、お前も気の使い手ということになる」

「いや、別に、俺が持っているのは精々英検4級ぐらいですよ。気だとか使ったこともないですよ。人に気を使わせたことはありますがね」


 関羽は偃月刀の先端で劉備の頬を突いた。


「よろしい。ならば勝負すれば分かる」

 関羽は偃月刀を回転させると、劉備の額目掛けて突き刺した。

「うお、あぶね」

 劉備はそれをしゃがんで避けると、そのまま犬のように四つん這いの姿勢で、関羽から逃げた。

「おい、待て」

「悪いけど、勘弁してくれ」


 劉備はそのまま関羽から逃れると、グラウンドの方から誰かが揉めているような声を聞いて、そちらに向かった。

「おい、どうした」

 戸惑う武芸部員の輪の中に押し入ると、張飛や馬超が、見慣れない赤いジャージ姿の生徒達と何やら会話しているのが見えた。表情から察するに、楽しい話をしているわけでは無いらしい。


「おい、あんたらがアタシ達の対戦相手かい?」

 茶髪の短い髪を手で撫でながら、赤いジャージを着た女子生徒がベンチに腰掛けて、張飛と馬超の顔を交互に見ながら言った。

「おい、お前ら何してんだ?」

 劉備が割って入るように、馬超と張飛の前に立った。


「劉備、お前は退いてろい。こいつは私がやる」

「ほう・・・・」

 張飛は前に出ると。自慢の蛇矛を強く握り締めた。


 緊迫した空気がグラウンド内を包み込んでいる。すると、赤いジャージ集団の中から、一際眼を引く姿をした一人の女子生徒が現れた。その女子生徒は、紅蓮の短い髪の毛を風に靡かせながら、手には巨大な先端が三つの刃に分かれた槍を持っていた。身長は170センチ前後と、女性にしては長身で、凛とした意志の強そうな顔をしていた。


「あ、あいつは・・・・」

 張飛と馬超を初め、武芸部メンバーの顔が皆凍り付いた。ただ一人、状況を呑み込めていない劉備だけが、その様子をじっと見つめていた。

「馬超先輩、あれ誰です?」

「知らないのかい。あれは呂布奉先だよ。洛陽学園最強の女。去年、全国大会の準決勝まで洛陽学園を押し上げた奴さ」

 呂布は劉備達の顔を順番に見ていた。

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