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オレンジ赤坂  作者: 雅弌
三位一体
9/60

日和と黒髪ツインテールメイドさん

オレ、あかみん、エー君の思考ドッキングは面倒でもあり楽しくもあり嬉しい。

何せ昨夜に別れを覚悟したばかりの3人だ。嬉しくないはずがない。


けど思考を隠せないのが辛いよな。今のところ短い付き合いだからかあかみん達の悪い所とかも見つからず愚痴とかの嫌な思考にはなってないが…隠せないだろうしな。


普通は我慢できる物や建前で誤魔化したりできる物も嫌な感情を思考したらあっさり2人に伝わってしまう。


まぁ…今は考えても仕方ないよな。しのやんは楽観的。けど悪い事ではない。なんか自分で自分を励ましたみたいでちょっと悲しい。




そんな思考をしながら辿りついたのが駅前大通りと住人が呼んでいるビル街。

沢山のビルが並んでおり、この辺りでは一番都会っぽい。


この駅前大通りは…娯楽ならなんでも揃うが生活感のない場所だったりする。


ゲーセンや本屋、服とかスポーツ用品なら何でも揃ってるが、食材を買って料理し健康的に暮らそうとすると食材は駅前通りから離れなければならない。

何故かファーストフード店もなく、あるのはマニアックな品ぞろえのコンビニが一軒だけと食事に関するものが寂しくて人が留まりにくい場所なのだ。


夕方は学生やサラリーマンが仕事帰りなどで娯楽施設に寄って賑わうが、夜になると食事ができないのでどんどん人が減っていく。

遊びには困らないが生活には向かない場所。


夕方通り、なんて呼ばれる事もある。




「このビルの4階で整理券を配ってて明日土曜日に握手会があるんだよ」




あかみんとエー君に伝えるためについ口に出してしまったが独り言寂しいな。


けど思考が3人同じ脳で行っているからしのやんの言葉が伝わりにくいので口にしてもらった方が分かりやすい。





「確かに昨日もあかみんが喋ってると頭に言葉が入ってきやすかったな」





できるだけ思考を口にする事を心がけるか。

でも…これからはぶつぶつ喋る怪しい男になると考えると悲しくなるが、仕方ない。




一人だが、3人で思考しながらエレベーターに乗る。

最後にエレベーター乗ったのがあかみんでの逃走劇だったからなんだか落ち着かないな。


逃走劇といえばバイク。バイク買いたいよな。そんな金どこにもないし部活でバイトする時間もねぇよ。




「ようこそ!明日の握手会の整理券のお求めですか?」


「はい、2人分お願いします」




エレベーターを降りたところすぐに黒髪ツインテールでメイド服を着た女性がおり、受付へと案内してくれる。

ビルの4階には案内、整理券の手続きをしてくれるまたメイドさんが4人ほど。


あとは5、6人の男性作業員らしき人が明日にむけて準備してるぽかった。



…エー君が思考に入ってから残金と空間にいる人間の数把握をするようになったよ。オレがいるとその把握も適当になるっぽいが、あかみんも以外とズボラなところがある気がするのでオレ一人の責任にはしないでほしい。



…それにしても、視線をやけに感じるな。

案内、受付してくれてるメイドさんが手続しながらちょくちょくオレに視線を送る。


あかみんは可愛いから視線慣れしているだろうけど普通な顔のオレは視線慣れしてなくて可愛い可愛い何度も照れるってば!…意外と慣れてない?




「あの…何か?」


「す、すみません何でもないです!」




メイドさんはそう言うが、それからも何度か視線を向けられた。

何なんだ?と思ったが壁にスタッフ急募!のチラシが貼られているのを発見。

握手会は明日だというのに人手が足りてないらしい。


…残念ながらいつまであかみんの姿でいるのか分からない状況のオレじゃバイトなんてできないぜ。





「…スタッフとしてメイド服着て仕事してくれればアフタヌーン娘。の楽屋に入る許可も出ると思うんだけどなぁ」


「………!」





メイドさんが、オレにだけ聞こえるようにボソッと声をかける。


おい、このメイドさんしたたかだなコンチクショウ。

アフタヌーン娘。に興味なければ整理券貰いになんてこないだろうに。




「…明日、友人との約束もあるので確実にお手伝いできるか分かりませんがそれでもよければ」


「ふふ。とにかく人手が足りてないのでそれでも助かります。よろしければ友人さんもご一緒に!」




理由は誤魔化しながらしのやんは日和った。

仕方ないじゃん、アフタヌーン娘。の楽屋なんだぜ!?



てか、この黒髪ツインテールメイドさん。

整理券を賄賂でも渡すかのように手を握りながら渡すの止めてくれ。



その仕草に違和感なさすぎて怖ぇよ。


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