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オレンジ赤坂  作者: 雅弌
三位一体
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『しのやん』と『あかみん』と『エー君』

夢から目が覚めた。けど頭はまだぼーっとしてる感じだ。

身体が凄く熱い。頭から足の先まで全部が熱い。まるで溶けるようだ。



いや、溶けはしない。エー君の味わった苦しみに比べれば全然だ。


そうだな…インフルエンザにでもかかった感じなのかもしれない。

とにかく熱くて苦しい。


季節外れのインフルエンザか?もうじき夏休みで部活も忙しくなるってのに出足を挫かれそうだ。



辛い夢を見て悲しみに耽てる余裕すらない。

とにかく熱いあつい暑い厚いアツいあつい苦しい!


そう感じながら気を失うようにオレは再び眠りについた。






今度はあかみんにならなかった。ついでにエー君も感じない。

まぁ夢なんてそんな物か。


…あの時の自分の無力さを思い出すと夢ですませたくないが、夢は夢だ仕方ない。



夢は夢だ仕方ない。




…喉乾いたな。

昨日の夜中、あかみん達との別れの後は凄く身体が熱かったが、その熱は目が覚めたらなくなっていた。


とはいえ汗だく。あの暑さに苦しんだのは夢じゃなかったらしくてパジャマが汗でびっしょりだし身体が凄く重い。特に胸の当たりなんか特に。


オレの家は2階建てでオレの部屋があるのも2階。

汗を流すためにシャワーを浴びたいがその前にリビングに寄ってレモンティーを飲もう。

レモンテイーはオレの好物だ。


オレは冷蔵庫から牛乳のパックを取り出してコップに注ぎ、飲む。

朝は牛乳を飲むのが習慣だ。


…いや、そんな習慣はないぞ?てかこの牛乳は姉ちゃんのじゃねぇか。

また姉ちゃんと戦争開始になるかもしれない。


けどそれも楽しそうだ。楽しくねぇよ。



ともかくシャワーを浴びよう。

そういえばシャンプー切れかけてたっけ。汗かいたままだけど先に買ってきた方がイイか?そんな事しなくても親父の借りればイイじゃねぇか。間違えても姉ちゃんのはダメだけど。


そしてパジャマを脱ぐ。

…む。また胸が大きくてきたか?『私』は動きやすくてスマートの方がイイ…のにぃ!?




「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」




ついオレは大声を出して叫んでしまう。


この身体…あかさかあけみこと『あかみん』じゃねぇか!

ちなみに漢字で書くと赤坂 明美。どうでもイイよ。


…じゃなくて、どうなってんだよコレは!?夢の続きか!?


それにしては意識がハッキリしてるというか今ので目が覚めたが…。




…どうするよ?とにかく女の身体だろうと自分の身体だし恥ずかしい気持ちにもなずカラスの行水でシャワーを浴びる。

現在時刻6時30。そろそろ親父達が起きてくる。


脱出に備えて玄関から靴を持って2階の自室に上がる。

オレが部屋に戻るのと入れ違いに隣の姉ちゃんの部屋の扉が開く音がする。


流石にあかみんを見られるのはまずい。間一髪だ。


とりあず…着替えるか。

下着はトランクス。ブラは…知らん。


けど透けると困るし、熱いけどシャツを着よう。

胸、苦しっ!


けれどなんとか着れて、上からカッターシャツ、ズボンと制服を着る。待て。このまま学校に行くつもりか。




「おーい!そろそろ起きなさいよ部活あるでしょー!」





母親がオレを起こすためか部屋にやってくる気配がする。

致し方ない、このまま窓から脱出だ!



けどここ2階だぜ?大丈夫、エージェントなめんな。



屋根、壁、パイプと伝って地面につき、靴を履く。

荷物はスマホと財布(3200円ちょい)しかない。


しっかりと残金を把握しておきたいが面倒だ。





「…あれ?どこいったの?」




オレの部屋から母親の声がする。

とりあえずメールで『部活始める前にミーティングするから早めに来いって連絡が急に来たから先に出る』と送った。



悪知恵は働くなぁ、しのやん。





…さよならしたはずの『あかみん』と『エー君』の思考もとい脳波。まだ生存中っぽいな。


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