表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オレンジ赤坂  作者: 雅弌
番外小話
60/60

緑沢 杏子


8月31日。



夏休み最後の日。

オレは緑沢の事について考えていた。



ニナとりーちゃんからの緑沢への印象が悪い。

まぁ緑沢とは特別仲が良いワケでもないので、関係性を取り繕うとかするつもりはないが…なんかモヤモヤする。


ちなみにこのモヤモヤだが、緑沢と2人が仲良くない事に対してじゃない。



2人が緑沢に対して良い印象を持っていないもんだから、小中学生の時はどんなヤツだったか…と思い返していたらモヤモヤとした気分がしてきたのだ。

物語の主人公みたいに記憶が曖昧だーとか言って面倒な事件に発展したりはしないぞ、言っておくが。




ニナに言われて気が付いたが、緑沢は昔からつかみどころのないヤツだった。

普通に友達はいるし、普通に仲良くしていたし、普通に成績も良く、普通に運動できた。


『普通』。それが緑沢を思い返して一番浮かんできた言葉だ。


普通な物は普通だろ、と言葉遊びになりそうだが…。


普通の女子すぎて逆に怖くなってきたのだ。



ニナみたいに観察力が鋭く、ちょっと怒りっぽいヤツでもない。

りーちゃんみたいに言葉に詰まったりしないし心が強いとも思った事がない。

相生みたいに気の利きすぎるヤツでもないしコウ先輩みたいに熱い人じゃない。



普通に優しく、普通に友達と喧嘩し、普通に会話し、普通に生活していた。



緑沢はどんなヤツ?と聞かれたら『普通の女子』だよとしか言い様がなく、つまりはつかみどころがなかった。



…そう思うとあの一瞬で見抜いたニナの観察力は凄いよな。

オレは9年間一緒の学校で、全然不思議に思った事はなかった。




ゆーがっとめーる!ゆーがっとめーる!




緑沢について考えてたら携帯にメールが届いた。

…それも、丁度緑沢からだ。



『ちょっと話しがしたいから今から会えない?』内容はそれだけ。

丁度オレは男に戻っていたから会うのに問題ないし、緑沢からの誘いを断る理由はない。



お人好しとかってワケじゃないが普通に良いヤツだし、普通に友達なんだからな。



なんだかモヤモヤするが…いや、モヤモヤするからこそ緑沢に会おうと思った。




場所は近くの公園。

時間は夕暮れ時で人は見当たらなかった。


オレが公園についた時には緑沢は既にいた。何故か弟も一緒だ。


自宅近くの公園はブランコや滑り台、砂場があるがさほど大きくもない普通の公園だ。

緑沢は弟をブランコに乗せ、後ろから押してやっている。




「よぅ、待たせたか?」


「ううん、大丈夫。てか弟と遊んでたら急に篠崎君と喋りたくなってさ」


「なんだよそれ。急に呼び出すから何の用かと思ったじゃなねーか」


「まぁ用はあるんだよ。心の準備もろとも、いろいろできたから今呼び出しただけで」




緑沢はブランコで弟を押しながらこっちを見ない。

弟は弟で人見知りを発揮しているのか未だに顔をこちらに向けないしな。


…てか、緑沢のヤツ久しぶりの再会をしてからずっと弟と一緒にいるな。

小中と一緒の学校に行っていた時は弟の存在に全く気が付かなかったほどなのに。




「私の弟さ、ずっと入院してたんだよね。人見知りで喋れないってワケじゃなくて事故で言葉も発せなくなったし目もほとんど見えてない、耳も聞こえない」


「…今も、なのか?」


「うん、今の医学じゃ絶対に治らないんだってさ。けどね、一つだけ普通に機能してる部分があるんだよねぇ」




緑沢はブランコを止めてこちらに視線を向けてきた。

…今までと表情が違う。


『普通』の人がする表情ではなかった。

悲しきかな、最近何度も見た見慣れた表情。




「『脳』。脳が生きているから感情もあってコミュニケーションもとれる。身体の感覚はほとんどない弟だけど夏祭りに行ってみたいとかプールに行ってみたいと伝えてきたんだぁ」


「…脳か」


「そ。だから欲しいんだぁ。使い方によっては別の身体を用意して、その身体に意識を送って操れるようにできるかもしれない技術が」




緑沢はどこからか銃を取り出してこちらに向けてきた。

その表情は『戦う者』の表情だ。

ニナの件や、りーちゃんの件で相手した連中と同じく…オレ達を仕留めてやろうとする連中と同じ顔だった。


緑沢のその表情に迷いはない。銃の扱いに慣れているようにも見える。




「まさかクラスメートに銃を向ける事になるとはねぇ」




バァン!と銃声が鳴り響く。

緑沢が迷いない表情のまま、迷いなくオレに銃を撃ったのだ。




…言い訳はしませんさ。

ただ乗り気にならなくて延々と間が伸びて2年ほど更新せず。


だけど、どこか心残りで自分もモヤモヤしていたのですよ!



物語の構想はあるのでネタはあったのですが…何故か書く気がおきなかったというか書けなかったというか。

スランプ…だったのかなぁ。とはいえその一言で片づけられる間ではないですな。


ブックマークしてくださった方もいたというのに申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ