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オレンジ赤坂  作者: 雅弌
番外小話
54/60

りーちゃんと③


8月24日。


夏休みの終了まで丁度一週間。


部活を辞めてやる事が無くなりほとんどヒマを持て余していたが、やはり休みが終わる事に寂しく感じる。



…なんて、どうあがいても時間は止まる事なく夏休みはどうしても終わるのだから気にしても仕方がないだろう。


ともあれ、今日は夏祭りだ。今の身体はあかみん化もしておらず普通にしのやんことオレの身体。

祭りの会場は近所の大きな公園で、盆踊りやら花火大会も行われて夏の最後を派手に飾ろうといった感じの祭りである。


けれど夏祭りに出かける前に、ご近所さんとなったりーちゃんを迎えに行く事が一番最初にするべき事だ。

りーちゃん母が可愛い浴衣を着せて送り出すから楽しみにしていてね、と言ってりーちゃんは恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていたので楽しみだ。



なんか最近しのやんロリコンっぽくなってきたよね。変な事をしたら生きているのが苦痛なくらいに頭痛を与えてやる。うるせーお前らもりーちゃんの可愛さにやられているだろうが。




…なんて、思考会話。

変な気を起こすなよと念押しされたが、脳内にいるあかみんとエー君も大概にりーちゃんの事を好いている。


身長差から基本が上目遣いで話してくるトコロや、口下手ながら一生懸命会話をしようとしてくるトコロが可愛い。



りーちゃんが何故あんな喋り方をするのか詳しい事は聞いていないが、りーちゃん母曰く昔イジメにあった事が原因なのだとか。


それで人間不信に陥りそうになったが、それでも誰かと一緒にいたり会話したいから頑張って相手に声をかけて会話をしようとしている。




…いつもよく思うが、りーちゃんは本当に強いんだろうな。

昔あったイジメのトラウマか何かで身体が、声が他人との会話を拒んでいるのだが本人の心はそれでもオレやニナといった連中と仲良くなろうと必死に会話をする。


オレはそんな強く頑張るりーちゃんが好きだし、もっと親しくなってその頑張りを応援いてやりたいと思う。

この夏祭りで親しみが深くなってくれるとイイのだが。




「さて、そろそろ行くか」




時刻は17時。晩飯は屋台を見て回って食べ歩き、19時から花火大会が始まるからそれに合わせて移動する予定だ。


りーちゃんは浴衣を着ていくそうだがオレには浴衣とかありゃしないので半袖のTシャツにジーンズと普段通りすぎる恰好。



今までは特に気にしていなかったが、ニナやりーちゃんと一緒にいるようになって少しはオシャレした方がイイんじゃないかと思うが…どんな格好すればイイのやら。


2人は可愛らしく…カテゴリーとしては美少女に入るのだろうが如何せん自分は普通すぎる。

服装くらいは恥ずかしくないようにしたいが…オレもエー君もあかみんもオシャレという言葉からは程遠い。



あかみんもオシャレというより元がイイから自分の気に入った服を着ていれば何でも似合うからズルイ。





「あ…」


「お、りーちゃん」





他所事を考えながら靴を履き、玄関の扉を開けるとインターホンに指をかけようとしていたりーちゃんがいた。


服装はもちろん浴衣。

色は白が基調としているが、よく見れば薄くピンク色をしており花柄が点在する…落ち着いた。けれどよく見ればオシャレで可愛らしい浴衣。


言葉が詰まりあまり喋らないクールな印象があるが、勇気を振り絞れるりーちゃんのイメージとピッタリなアクセントだ。




「悪い。時間遅かったか?」


「い、いえ…待ちきれ、なくて…ごめん、なさい…」


「謝る事じゃないって」





そう会話しながらりーちゃんに近づくと何故かビクッ!といった感じの反応をされ俯かれてしまった。


…なんだ、この反応?近づいてほしくなかったのか?けど一緒に夏祭りいくなら近づかないとバカしのやん。浴衣の感想が欲しいのよりーちゃんは。そんなもんなのか。



まさか恋愛物のハナシで鈍い主人公へのアドバイスの定番みたいな物をされる日が来るとは思わなかった。

まぁ…女子との付き合いなんてほとんどなかったからな今まで。


クラスメイトとは話す事はあっても基本は部活一辺倒だったし…ともあれ助かるぜあかみん。





「りーちゃん、凄く可愛いな。いつも可愛いけど今日はもっと可愛い」


「…!う、うぅ…」


「…りーちゃん?」





素直な感想を口にすると一度は顔を上げたが顔を真っ赤にして呻きながら再び俯いてしまうりーちゃん。


…マズイ感想の言い方だったのだろうか大丈夫照れてるだけ。けど言い方がチャライからもっと考えて厳しいなあかみん。



ともあれ、これから夏祭りだ。いつまでも自分の家の玄関にいるワケにはいくまい。



りーちゃんの右手には巾着があったので左手を握ってみる。


そしてまた一瞬顔を上げてくれたがまた俯くといった動作。

けれど、しっかり握り返してくれたので行こうかと声をかけて歩き出す。




…なんとなく、がいればこんな感じかなぁと思ってしまい、そしてやはり姉の存在を忘れたいと考えるいつもの思考を振り払って会場に向かった。






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