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オレンジ赤坂  作者: 雅弌
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49/60

もっと共有しないとな?


…って、ついてきやがるよアイツら!


数は3人ほど。同級生の鍵山、高城と後輩の千葉。


ニナの背中を押しながら半ば無理やりに駅から移動したのに追ってきやがる。

今いる場所は黒井家が暮らすマンションの住宅街。


このままニナの家まで追ってきたら…セキュリティはそれなりだから物理的には大丈夫だと思うが郵便物等で嫌がらせを受けるかもしれない。


そんな事になったらオレは…黒井家に申し訳ないどころじゃなくなる。

日頃からお世話になっているというのに面倒しか持ち込まないとか最悪じゃないか。


てか、アイツら最悪すぎだろ…。

オレを恨むのは筋が通ってるけど、ニナは関係ないだろうが…!




「…ニナ、先に帰っててくれ」


「え?で、でも…」


「これはオレの問題だ。オレが解決しないと気がすまねぇ…」




少し…イライラしてきた。

アイツら、オレのスマホには連絡せず何も言ってこないのにニナを襲おうとするなんて。


多分、オレの事なんかどうでもイイ。

けれど、大会で負けたのは気に入らない。

だから偶然駅前で見つけたニナに八つ当たり。


…そんな、女に当たるようなヤツらと今まで仲良くサッカーをやってきたのかと思うと自分にもイライラする。



けど、どうしてやろうか。

ニナに八つ当たりするのにはイラっとするが元々原因はオレにあるからスタスタスタ。


…ん?足が勝手に動いて鍵山に向かっていくぞ?

右腕が持ち上がり、鍵山の頬に向かって―――バチーン!


大きな音が、住宅街に響き渡る。…え、なに?オレ身体動かしてる感覚ないんだけど気が付いたら鍵山にビンタくらわせているよ。




「あなた達ねぇ…しのやんだけでなくニナとか関係ない人に手ぇ出して恥ずかしくないねーのか!?」




………思考内だと仕方がないと思っていたけどあかみんやエー君と三位一体中とか以外で同時に会話すると言葉がぐちゃぐちゃになるよな。

うん、今はオレ一言も喋ってない。


あかみんとエー君が喋ってる。




「な、んだよお前は!?」


「私はしのやんの…篠崎くんの本当の彼女よ!なのに本当に関係のないニナに手を出そうとしてんじゃねーぞ!?」




なんかカオスだ。

あかみんの女口調とエー君の口の悪さが合体してる。


しかもエー君、なんか不良っぽい。キレるとヤンキーみたいになるんだな。




「ニナもニナで、何で彼女とか勘違いされてるの?どうせしのやんにデートの相談とかされていたんだろうけど!」


「え…あ、そう、なのかな…」


「しのやんに迷惑かけて部活辞めさせたのはオレが原因なんだ!だからニナやしのやんに酷い事するなら絶対に許さない…!」




観察力が鋭いニナも、この状況には戸惑うばかり。

お、おい。あかみんもエー君もおちつけ…。


けど、そもそも私オレたちが原因なのにしのやんだけに辛い事を押し付けられるワケないねーよ!


…うん、オレは慣れてるけどそれでもカオスだから。落ち着こう、な?




「お前いったい…誰なんだよ!?」


「私の名前は赤坂 明美。女の子に八つ当たりするくだらない脳にちゃんと叩き込んでおけ!」




おいおいおい名乗るなよ!?

博士の時も名前から推測されて待ちかまえられてたじゃねーか!


どっちが考えなしだよ!?




「ニナ、逃げるぞ!」


「う、うん!」





これ以上この場がカオスにならないうちに逃げ去る。

この身体は今見た目こそあかみんだが、オレの物だ。


完全に冷静さを失ってる2人は残る高城と千葉にもビンタをくらわせたそうだが、身体の優先権?みたいなのはオレにあるから無理やり動かして逃げる。




「大丈夫なの、アレで?」


「まぁ…ニナが八つ当たりされる事はそうそうなくなるだろうけどな」




噂ってのはすぐに広まるだろうけど…クラスメート、特に相生には夢で赤坂 明美だった的な話しをしてある。

夢の存在が現実で、しかも彼女とか絶対に不信がられるけど、どう説明してやったらイイのやら。


けどまぁ…。




(ありがとな)




部活を辞めたのも、黒スーツや博士どもと因縁があるのはオレの問題じゃない。『オレたち』の問題だ。


どれもコレも何も解決していないけど…大変な物を背負っているのがオレ一人じゃないというのが凄く、気が楽になる。


オレが原因、私のせい、オレが不甲斐ないとモヤモヤしているよりよっぽどマシだ。


せっかくオレ達は3人なんだから思考や戦闘だけでなく…もっといろいろと共有しないともったいないよな?


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