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オレンジ赤坂  作者: 雅弌
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夢の中の戦闘


オレは夢を見ている。

今更気が付いたのだが、オレはあかみんとエー君と一緒になってから夢を一度も見ていない。


いや、あかみん達とのアレも睡眠中に見ていただけであって、正確には夢ではないのかもしれないが。


だから今のコレも…夢ではないのかもしれない。




オレは、どこぞで見た怪しい椅子に座っていた。

エー君やあかみんが座らせれて実験していた椅子だ。


だが、今日のオレは下着姿とか病人服みたいな軽い姿ではなく…半袖のTシャツにジーンズ。

普通に私服で、周囲には誰もいない。実験の最中というワケではないようだ。


周囲は…引っ越し前か撤去された後みたいに、がらんとしており何もなく広々とした空間。

あるのは例の怪しい椅子だけ。




(よぅ。誰だお前は?)





オレはオレに…Tシャツとジーンズを着た男に話しかける。

しかし、反応は返ってこない。どうなってるんだ?と、あかみんとエー君にも話しかけようとしたが…2人からも反応がない。


…側にはいる気がするんだ。だけど、感覚が…脳が繋がっていないというか。


そんな事を考えていたら、オレは椅子から立ち上がった。


そのままオレは扉にまで歩いて行き、廊下に出る。

廊下にも…何もない。


ただ、いくつかの扉が見当たるだけの縦長い廊下。

オレは再び歩き出し…階段を見つけた。その階段を登って上に行く。


壁に書かれた数字を見るに、ココは3階らしい。そこから4階、5階と上がって行き…階段がなくなり、ちょっとした空間に扉があるだけの場所に出る。


屋上だ。目の前の扉を開ければ…広々とした空間に金網が張ってあるだけ。

オレが出て来た扉の上にはタンクがあるが、それ以外は何もない本当にただ広々とした空間なだけだった。



屋上には…一人、男がいた。

夏だというのに暑苦しそうなコートを着込んで、前を閉めている。


夕日が明るく周囲を照らしているのに、何故か顔が見えない。

影のモザイクが顔を隠している。



けれどそんな事より、コートの男の手にした物が気になった。

漫画とかで見たんだが…確か、物干し竿とか呼ばれる長い刀身をした刀だ。


魔法の次は、そんな漫画やアニメでしか見ないような武器を持ち出しやがって。

こちとら素手だというのに…コートの男は長刀を方で構えて、こちらを見据えてきた。


戦る気か。

オレの方もどこからか棒を…コレもアニメや漫画でキャラクターが持っているのを見たことがあるような、武術で使う棒を手にしている。


自分の背丈ほどでは長い棒の中心を持って、グルグルと回してから構えをとる。それこそアニメみたいに。



そして…戦闘が始まった。

長刀を持ったコートの男は離れた所で剣を振り…炎の塊が3つほど飛んできた。


あかみんが思考にいなくても流石に分かる。

魔法だ。それも火の魔法。


オレは向かってくる火球を避けながら間合いを詰め、棒を槍のように突き出す。

それをコートの男が長刀ではじき返してきて…よくもまぁそんな長い刀を素早く振り回せるなと敵ながら感心するほどの速さで振るってきた。


オレは棒で刀を防ぐのが精いっぱい。強すぎるぞ、コートの男。

地面を蹴り上げるようにして距離をとると…コートの男が何もない所で斜め下から長刀を切り上げる。


空振りとは思えなかった。どう考えても先程みたいに魔法を使ってくるのだろう。

火球が飛んでくるのを覚悟したが…なんだ、刀が刃が伸びて向かってくるような感覚に陥る。


オレには何が起こったのか分からなかった。

けれど身体の方はそれをなんとか避け…今の攻撃が、斬撃を飛ばして来たのだと今更ながら気が付く。


あかみんがいればすぐに分かったのだろうが、今のはおそらく風の魔法。

風の魔法をアニメや漫画よろしく、斬撃として飛ばしてきたのだろう。



まったく、元々魔法に詳しくないとはいえさっきからアニメや漫画みたいなとしか表現ができない。



風魔法の斬撃はオレをすり抜け、屋上の扉の上にあるタンクを切り裂く。

そこから激しい勢いで水が飛び出し…コートの男が水に向かって何かを投げ込む。


…石?なんだか輝いていたし、宝石かもしれない。


とにかく石が水の中に入りこむと、水柱となってオレに向かって襲ってきた。



今度は水魔法か!なんでもありだな!?



水柱の数は4本ほど。それもなんとか避けるがギリギリだ。


屋上が水浸しになり、改めてコートの男に対峙しようとしたら…。

ガキン!と鉄同士がぶつかったような音がして足が動かない…!


今度は氷魔法。

動けない。絶体絶命だと思いながらコートの男の方を見る。



…予想はしていたが、更にオレを追い込んでくる。

直接的な攻撃ではないが…長刀の刃の部分がバチバチと音をたてながら、紫色の糸のような物が沢山包み込んでいる。


どうみても電気の魔法。いや、雷と表現できそうなほどの圧力を感じた。




…積んだな。オレは魔法も使えないし、エー君の反射もない。


けれど、今戦ってるのが本当に『オレ』だったなら?

意識として棒を持っている男をオレと表現しているが、オレではない。


もしここにいるのがオレなら、三位一体でエー君がギリギリで避けられるように判断して上手く間合いをつめて攻撃しただろう。


そうすれば相手の魔法をいくつか遮れていたはず。


あかみんがいれば動けない今の状況でも手にした棒を使い、魔法弓にして攻撃できるだろう。


けど、ここにいるのは『オレ』じゃない。あかみんでもエー君でもない。



だからって…このまま死ぬのか?

お前が誰だか知らないが、それでイイのか?

死んでイイのか?生きたくないのか!?



オレを…しのやんと、あかみんと、エー君を。



オレを、私を、オレを…受け入れろ!


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