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オレンジ赤坂  作者: 雅弌
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お別れ


光川に殴られた翌日。見事に痣が残った。

そして今日は偽の撮影がある日。偽の撮影とはいえ主役の顔に最初から痣があるとか斬新だよな!



…はい、またりーちゃんパパに怒られました。

今回ばかりは流石にりーちゃんママにも呆れられたけど…オレはスタントマンって事でハナシがついた。


オレが原因とはいえ…結構適当だな。


とはいえ、これで魔法云々の問題は解決したと言ってもいいだろう。



サッカー部の件も…光川に殴られた事で改めて気持ちの整理がついた。

なんで光川がここにいたかは知らないけど…一度に責められるのが今回は一人で助かった。


オレってば考えなしだからな。恨まれる事を覚悟していたとはいえ、恨まれるっていうのがどういう事か。

それをしっかりと覚悟していない状況で部員全員。それも一度に恨まれたらどうなっていたかは分からない。



解決はしていないが一先ず、って事で落ち着く事ができたが…また一つ問題がでてきた。

オレってばいつも問題ばかりだな。




「あかみんとエー君が落ち込んでる?」


「あぁ。サッカー部の件で。直接見たり感じたりするワケじゃないけど…なんとなく伝わってくる」


「仕方ない、と思います…。昨日、あんな事が…あったんです、から…」


「けど、あかみん達と一緒にいる事を後悔なんてしていない。それを何度も伝えているんだがなぁ…」




今日は一度も思考に交じってくる気配がない。

朝は牛乳を飲もうと思わなかったし、反応があまりにもないもんだからレモンティーも飲んだ。


レモンティーは拒否反応が昨日ほどではないが出て、少し安心。ちゃんとオレの中にいてくれている。


今、オレとニナとりーちゃんでホテルのフロントにある小さな喫茶店で昼食をとっているけど…。

あかみんとエー君の反応がないと…一人ぼっちな気分に陥る。




「むしろ、アイツ等の反応がないとサッカー部を辞めた理由がなくなるというか。後悔しないためにもいつも通りでいてほしいんだがな」




…ごめんね。すまない。

お、やっと反応があった。まぁ…気にするなって方が無理か?けど当人のオレが覚悟決めてるんだからあんまり長く引きずるなよ?




「それにしてもあんた、本当にあかみん達の事を信頼してるのね。会った事ないんでしょ?」


「会った事なくてもさ、アイツ等がオレのためを思って行動してくれたり気を遣ってくれるのは伝わってくるからさ…いいヤツ等さ」


「つまり…2人、とも…お兄さん、みたいな…お人良し…という、事…ですか…?」


「あぁー…」


「何だその意味深な反応は。ニナだってかなりのお人好しだろーが!」




なんだよ、お人好しって悪いことなのか!?と開き直ってみる。

そんな事より…ニナの水着だよ!


今日の午前中は魔法の揉み消しについてのハナシとかで潰れちまったので、このビーチにいられるのは残り夕方までなんだぞ!?


けれどニナは一貫して水着は見せない姿勢。

海に出るとしても、今日もパーカーを羽織ると言って聞かない。


…なにしに来たんだ、ホント。




「あ、の…お兄、さん…」


「どうした?」


「連絡先、交換…してもらっても、イイ…ですか…?」


「あぁ、勿論。まだ夏休みは半分あるんだし、また遊ぼうな」




当然というかやはり、だがオレ達とりーちゃんの暮らしている場所は違う。


オレ達もりーちゃんも、目的は旅行。旅行先が一緒になって事件に巻き込まれたワケだが、旅行が終わったら接点がなくなってしまう。

そう考えたら何だか寂しくなってきて、どちらかが帰る前に連絡先を聞こうと思っていたが…。


先越されちまったな。連絡先を教えてやると凄く嬉しそうにするし、強いというか、しっかりした子だ。




「さて、昼食も終わったし最後にもう一遊びするか!今度こそ水着で集合な!」


「…あんたには絶対見せないから!」


「黒井さん…照れ屋、すぎます…」


「別に照れてるワケじゃ…!」




結局、この旅行でニナはオレに水着見せる事なく終了した。

けれどりーちゃんのハナシでは、パーカーの下に凄く可愛い水着を着ていたんだってさ。


…何故だろう。サッカー部の事は後悔しないと決めたが、ニナの水着が見れなかったのだけは後悔してもしきれない。


何故にそんな恥ずかしがる?オレと初対面の時は、身体があかみんだったとはいえ下着姿でビール飲んで好き放題やっていたのにな。

それを言ったら殴られそうだったので言わなかったのだが…表情に出ていたのか、例によっての鋭い観察力で気づかれたのか結局殴られた。



りーちゃんと別れるのは名残おしく、少し涙ぐみそうになったというかニナは少し涙目になっていたが「また、すぐに…会いに、行きます…!」と元気よく声をかけてくれた。


いやホント強い子だな。別れるのが惜しくないんじゃなくて、また会いに行くから本当に寂しくないって気持ちが伝わってきて、ホテルで両親に連れて行かれて別れた。


泣いたり涙目になったりしたの、初対面でどうしようもなくパニックになってた時だけだったよ。



りーちゃんの両親は…信用できそうだったし、一応オレの事情を話してある。

すると、オレが魔法使いとしての修練を受けていないのに魔法が使える事…。魔法の存在が周囲にバレるような行動をとられるかもしれないからオレに監視がつくって伝えられた。


えー…マジでー…。と思ったが、りーちゃんママは穏やかに、信用できる人だから安心してと言ってくれた。監視と言ってもみっちり着くんじゃなくて、むしろオレが魔法を使ってもすぐにフォローできるように側にいるのが目的になんだって。


凄く気を遣ってもらっているのは分かる。けど、りーちゃんパパは相も変わらず怒ったような…いや、今回は拗ねたような態度をとっていたように見える。


…オレ、嫌われているのかね。




そんなこんなで旅行は終了。帰りの電車では思った以上に疲れたのかぐっすり眠ってしまった。

まぁ…疲れるわな。旅行って遊ぶだけでも疲れが自然と溜まったりするのに戦闘もあったワケだから。



そんな電車の中での睡眠。オレは久しぶりに…夢を見た。


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