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オレンジ赤坂  作者: 雅弌
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なんちゃってラブコメ?


「やっぱ…オレのせいだよなぁ。部員に何されるか分かんねーし、街中で会ったり新学期になったりしたら覚悟しておかねーと」


「…思ったよりは落ち着いてるわね」


「後悔しないって決めたし、実際あかみん達を選んだ事に後悔していない。だから何が起きても受け入れるって覚悟ができただけさ」




オレが元いたサッカー部が初戦敗退した翌日。

身体は男に戻り、旅行先のホテルに向けて電車に乗っている所だった。


ニナの髪型は…お団子?とでも言うのかそんな感じのヤツだった。

ホテルについてすぐ海に入れるように今日はツインテールじゃない。


風呂上りの髪を下した姿は見慣れているが、今回の方が逆に新鮮だ。




「な、なによ…?」


「いや、別に」


「何よ!?」


「おぅ…」





向かい合わせに座るにニナの髪を見ていたら声をかけられたが、大した事じゃなかったので言葉を濁らせたら怒鳴られた。


ニナって結構気難しいところがあるんだよなぁ。

けど、怒ってるのがベースになってきた気もするのであまり気にならなくなってきたかも。

ニナが怒ってるの気にした事あったか?なかったなそういえば。




「………」


「ふぁ…」





いろんな電車を乗り継ぎ、揺られながら3時間ほど。

流石にニナと会話のネタもなくなり、ヒマになってくると欠伸が止まらない。


しかし出会って2週間といえど3分の1は黒井家で過ごしている事もあって、互いに何も話す事がなくても苦痛とは感じる事もなかった。




「………(そわそわ)」


「んぅ…!」




今度か両腕を上に伸ばして伸びをする。

いかんな、眠くなってきた。

時間的にもうそろそろ着きそうだし、昨日あかみんだったからといえ電車とか公共の場で寝るのはちと怖い。


ほら、寝てると身体が変化する確率が高いし。


そうだ、スマホのアプリで遊ぶか。

普段は電池の消費が激しいからやらないが、部活のメンバーからは音沙汰もないし他の連中から連絡が来ても仮にも女子と二人きりで旅行中なんて返事し辛いし。


…今更だが、状況だけを考えるとオレってかなりリア充っぽいよな。

ニナとは彼氏彼女っていうより、姉ちゃんと接しているみたいで何だか家族って感じがして普段は意識していないのだけど。


家族か。イイよな。美菜子さんもウチの母さんよりよっぽど美人だし悪くないな黒井家。

だけどしのやんってあだ名がなくなりそうだから黒井家さんのお宅の子になるつもりはないが。


さて、アプリで何して遊ぶか。

鞄からスマホを取り出してアプリ検索から始めていると…。




「…なんか私だけ緊張して馬鹿みたいじゃない!」


「ぬがぁ!?」





ニナに足を…弁慶の泣き所を思いっきり蹴られた!


いくら普段から部活で足腰を鍛えていたとしても、そこは鍛えられないからガードしてるくらいなんだぞ…!?




「い、いきなり何だよ!?」


「別に、なんでもないけど!」


「ちょ、何でもないのに蹴られちゃたまらんぞ…!」


「うるさい黙ってろ!」





再び足を蹴られそうになったので両足を持ち上げて回避する。

マジでなんなんだよしのやん鈍感少しは意識してやれ。



…いや、お前らの思考も大概に何が何だか分からねーな。

意識しろ、鈍感?オレの思考に紛れてるくせに分かっていないのか?




「人が意識しないように精一杯鈍感にしてるだけなのに…!」




…そうですよ、家族みたいなもんでも女の子と二人きりの旅行とか意識しまくりですよ!




「しかもニナはかなり可愛いんだぞ!?」




向こうも自然と旅行決めやがったから、あまりオレの事を意識していないみたいだし期待しないよう頑張ってるだけだ!




「二人きりで旅行とか内心じゃ…」


「こ、言葉ダダ漏れてるわよ馬鹿!」




顔を真っ赤にしたニナが拳で顔面にダイレクトアタック。

痛い。さっきから殴られ蹴られ、黒スーツの連中にもぶたれた事ないのに。




「な、なによ。あんたも意識していたのなら言えばいいじゃない」


「…ニナなら言わなくても分かるかと。それに意識しすぎると日常から緊張してきちまうじゃねーか」




周囲からも大概にニナって彼女じゃねーの?って反応してくるのだが実際は違う。

じゃぁどういう関係だと問われれば、やはり家族みたいな物だと答えるしかないがそれも実際は違う。


家族みたい。でも実際は他人で。しかも相手はオレに不釣り合いすぎるほどに可愛いヤツだ(見た目は)。


緊張するなっていう方が無茶があるだろう!



てか、観察力に定評のあるニナも、思考を一緒にしているお前らも何故気が付かない。

内心いつからかわれるかびくびくしていたというのに…!





「………」


「………」




そして今度はなんだこの気まずい雰囲気。

お互いに黙ってしまって言葉がでねーじゃないか。



『次は、○○駅~。○○駅~。混雑されると思われますので、お気をつけてください~』


「お!?到着みたいだな!?荷物もあるし早めに降りる準備しよーぜ!?」


「そ、そうね!海に近い駅って事もあって客も多いみたいだし!」





いいタイミングでアナウンスが響き、さっきまでの会話等を誤魔化すようにオレとニナは勢いだけで行動する。


なんだか前途多難な旅行になりそうだ。


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