『オレたち』は3人で!
身体が燃えるように熱い。
一番、負担がかかっているのは脳のはずだが…その負担も3人で分けているからかあまり痛くない。
むしろ最初から負担を分けれていれば、さっきの時もそんなに痛くなかったんじゃないか?仕方ないだろ、初だったんだし。
オレの身体の熱がエネルギーとなって身体の外に出ているみたいだ。
けど、出たエネルギーは拡散するのではなく、収束するような感じすらもある。
何を言っているのか自分でも分からない。コレが魔法?コレが魔法だ。
「あ、あんた!髪が赤く…!?」
どうやらあかみんの影響がさっそく出たみたいだ。身体はオレの、男のままだが髪はニナ曰くの赤毛っぽい地毛の茶髪になっているらしい。
見慣れていないはずだがオレ、あかみんにとっては見慣れた自分の髪だからあまり意識できない。ホントよくわかんないよ。
…ん。左手の小指にも大きな傷跡が出て来た。
そういえば原因は忘れたが、事故か何かでオレの、エー君の左手の小指は感覚がなかったんだ。
むしろ邪魔になるからって切断したかも?怖ぇよ。
「…おいおぃおぃぃぃ!マジか、マジなのか!?まさか本当にワケの分からん高校生相手に実験が成功してたってのか!?」
「博士!やはり殺すのは止めに…!」
「さっきも言ったろ!殺しても保存すりゃ問題ねーんだ!むしろ身体がなくて脳だけ動かした方が実験しやすい!」
そんな会話の後にトンファーを持った黒スーツの男がもの凄い勢いでオレとの間合いを詰めてくる。
トンファーは列記とした打撃武器だ。対してオレは素手だ。素手だけど、氷使い相手の時もやっただろ?
魔法を、魔力をこめて魔法矢を短剣のように握り持つ。
両手に。そして二つとも逆手に持って。
右手の魔法矢で、相手の突き出してきたトンファーとぶつけ合う。
もう一つのトンファーも、今度は左手の魔法矢で。
トンファーをあかみんの魔法で。動きに対してはエー君の反射で対応する。
格ゲーではパリングと呼ばれるような、攻撃の相殺の仕合だった。
やはり、反射だけでは勝てない。ゲームでも、現実でも、こういう時はフェイントを入れて状況を変える。
オレは左手の魔法矢を相手の頭めがけて勢いよく振り上げる。
あからさまなフェイントだ。相手気が付き、むしろ次の攻撃に注意しようとする動きをとるが…次はない。
オレの手に持ってるのは短剣じゃない。魔法矢だ。
形があってない物。ギリギリで避けたと思った相手の顔に目がけて魔法矢を伸ばし、攻撃を当てる。
…完全に相手が怯んだ。ココからがエー君の本領発揮だ。
両手に持った魔法矢で猛攻撃をしかける。
血こそでないが、黒スーツの男は強烈な痛みで歪んだ顔をしているた。
「ヤツごと魔法を撃ちやがれぇぇぇ!」
博士の指示で、魔法を使う黒スーツの男が…巨大な、影の剣をこちらに向けていた。
接近戦に使う用ではなく、あきらかに投擲目的だ。
マズい、間合いが開きすぎている。対応できない。
いや、できる。剣で遠距離とか遠距離のエキスパート相手に舐めている。
オレは目の前の黒スーツの足を思いっきり踏んだ。
右手で突き飛ばし、左手で相手の両手を掴む。
相手の身体がくの字になり、相手の体重を片手と足だけで支える。
「ぬぅぅぉぉおぉぉぉ!」
かなり、重い。けど耐える。耐えなければならない。
くの字になった黒スーツの男は…即席の魔法弓なのだから。
右手に練った魔法矢が、黒スーツを支える力みもあってか巨大な物となった。
それでいて力を緩めたら黒スーツと一緒に転んでしまうと思ったのか魔力を安定させるのは難しくない。
コレなら…影なんて曖昧な物なんかでできた剣なんて弾き飛ばせる!
「くらい、やがれぇぇぇぇぇ!」
全力で、勢いだけで魔法矢を放った。
放つと同時に手と足を話し、目の前の黒スーツは地面に崩れ落ちる。
魔法矢も…やはり影の剣なんて吹き飛ばしてもう一人の黒スーツを貫いて、相手は倒れる。
「な、な、な…!?」
後は銃を持った博士だけ。
しかし冷静さを(元からなくなっていたが)なくした博士の銃は途方もない場所を向いている。
…まぁ、こちらには遠距離のエキスパートもいるんだ。
冷静に構えられても点と点を見て狙う相手のクセを読んで急所を避けながら反射と合わせて間合いを詰めれば…オレの思考だが何を言ってるのかさっぱりです。
とにかくオレは自信のある単距離ダッシュで一気に間合いを詰めて、魔法矢を博士に向けて…振りかざす。




