オレは、私は、オレは
オレの後ろには動けないニナがいる。
ならどうするか?考えるまでもない、戦うしかないだろ。
けど、どうやって。
オレの身体をエー君の思考に委ねる。そうすればさっきまでより直感的に、鋭く確実に身体が動けて良い動きができるんじゃないか?
…だとしても、まだこの状況じゃ打開策にならない。もっと何かしら手がないと無駄死にだ。
だったらこっちも魔法を使おう。オレ自身は魔法を使えなくとも…あかみんの魔法を適正するために身体を作り替えるほどの事をしたんだから、また身体をあかみんにすればイイ。
それでも完全にはあかみんになりきれない。根本的に身体が違うのだから、いくら姿が似ても魔法は使えない。
エー君の武術も使い手の身体が違うのだから、結局は上手く動くはずがない。
だとしたらどうするよ?どうするんだ?
しのやんは私達に全部任せようとしているのがダメなんだよ。前にも言ったけど、私達はしのやんがいるから私達がいる。
そうだ。先程のスローモーション…。オレ達の脳が一体化して高スピードな脳内計算ができるというなら…オレが直感した事をしのやん、お前が処理して自分の身体を自分で動かせ。
そうすれば適格に、武術こそまともな物じゃないが十分に強烈な動きができる。
私の魔法も少し違った形で使えるかもしれない。根本は今のエー君の話しと同じで…。
私が脳から魔法の動かし方を伝え、しのやんが即席で私もどきの魔法を使う。
魔法ってのはさ、呪文とか術式とか堅苦しい物は使わないの。
脳で、魔力を練りだしそれを具現化する。
…意味わかんないか。
とにかく、脳をフル回転させてこのスローモションを利用して即席魔法使いに育てあげる。
私の魔法をしのやんが使うのではなくて、しのやんが私の魔法を模して使う。
…分かってないな。やっぱお前って結構馬鹿なんだなしのやん。
いや、ただの高校生に別れって言うのも無茶な話しか。
でも大丈夫。しのやんは理屈も何も分からなくていい。
私たちが理解し、覚えているから、分かっているから。
だけどしのやんはいつもみたいに自分は何もできないなんて、あきらめないで。
しのやん、お前じゃないと…お前だからこそオレの反射が使えるしあかみんの魔法が使える。
そして、しのやん。覚悟も必要だよ。
おそらくいくつかの後遺症が出るだろう。例えばあかみんを、あかみんの魔法を受け入れた事により昨日今日みたいに身体が赤坂 明美になる事がこれからもちょくちょくおきるだろう。
私だけじゃなくて、エー君の影響も身体にいくつか出るかもしれないからね。
あと、しばらく偏頭痛を襲うかもな。…まぁ、痛みはオレ達共通だが。
…だったら、何も問題はないな。
オレは2人の言う通りオレの力を、存在を認めるし…。
2人の事を信じられるから、2人の影響が出ても句じゃない。むしろ誇りに思う。
…しのやん、ニナに勢い凄い勢い凄いって考えてるけど。
お前も大概に度胸が据わってて勢いに任せるタイプだな。
2人だって今の提案、ほとんど勢いだけで考えて成功確率とか気にしないようにしてるだろ?ホントはできる可能性低いはずなのに考えないようにして勢いでやってる。
オレ達は一緒なんだ。ごまかせると思うなよ。
あはは、バレたか。でも、だからこそ私もしのやんとエー君を受け入れて一緒になれる。
…まぁ、オレもだな。全く違う人間3人が一緒になるなんて普通じゃないが…お前たちなら信じて、一緒になってもイイだろう。
…さて、そろそろ動くぞ。
いくらスローモーションでも止まったワケじゃない。
分かってる。急がなきゃ。でも一番頑張るのはしのやんだからね?脳は一緒でも身体はしのやんなんだから。
せいぜいあの博士に目に物を見せてやろう。なに、オレたちならできるさ。
オレは、私は、オレは3人が、3人で、3人だから。
オレたちは3人。3人が一緒の存在であるんだから。




