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オレンジ赤坂  作者: 雅弌
三位一体
24/60

スローモーション


オレの顔を狙った相手に対し、逆にオレの拳が相手の顔に突き刺さった。

…エー君の反射に頼った攻撃のつもりだったが、攻撃はコレだけで終わった。


相手の攻撃を避けての、オレのパンチ…。

格闘技に詳しくないオレでも分かるあからさまなカウンターは相手の勢いもあって、ただの一発のパンチで相手をノックアウトさせた。


カウンター、怖いよね。恐ろしいよね。カウンターの恐ろしさ知ってるよオレでも。格ゲーで。


大概に一瞬だが無敵判定もつく程だったり、コンボ程ではないがダメージを与えられたりと上手く使えばノーダメージフィニッシュすらできる。

…相生が無茶苦茶強いんだよ、格ゲー。



それはともかく、流石に一発で接近戦の黒スーツがやられるとは思っていなかったのか魔法を使う方のヤツも驚いている。

魔法の準備はできていない。オレは一気に間合いをつめてもう片方の黒スーツに詰め寄った。


普段から短距離ダッシュの練習とかを部活でしてて良かった。

オレには武術の心得も何もないが、せめてエー君のサポートができるようだ。


足には自信あるし、オレの性格じゃあまり役に立ってないが咄嗟に動いてゴール前の競りを制してシュートとかするし練習が無駄にならなかった。

オレが落ち着いてダッシュできるのも…やっぱりあかみんやエー君のおかげだろうか。



間合いを詰めてからはまたエー君の反射に任せて拳を振るう。

顎、喉、腹の三連打。確かあかみん本体の時もこの連続攻撃やってたな。

無意識からの攻撃だし、どうしてもパターンはでてしまうっぽい。


けど、コレで黒スーツ2人は動かなくなったので後は博士だけになり…。





「おやおや、こんなあっさりやられちゃうなんてねぇ!」





博士は相変わらず楽しそうに、いつもと変わらない笑顔で…。

黒塗りの銃。ベレッタらしき銃を構えてオレに向けていた。


…エー君か?自分の名前も憶えてないくせに銃の事は覚えていやがって!





「…っう!」





オレはガクン、と膝を突いてしまった。

頭の痛みが激しい。先程のスローモーションの時に起きた痛みほどではないが、それの後遺症とでも言わんばかりにズキズキとした痛みが頭を、脳が襲う。





「んー?もしかして…あぁなるほど!君、同時の赤坂 明美の脳を使ったんだね!」


「………?」


「おや、自分では分かっていないのかな?でもおかしいと思ったんだ、私が直々に連れてるだけあって弱いはずのないコイツ等があっさり負けてしまうんだもの!」


「だから…何が起きたっていうんだ…!」





頭を押さえ、痛みに耐えながらオレは博士に聞いた。

そして博士は聞かれたら答えたくなる、喋りたくなるタチなのでちゃんと答えてくれた。


…エー君の思考がオレと一緒ってのは知らないみたいだな。




「君が最初におこなったのは武術とか素人な私にも分かる見事なカウンターだったね?けど、その男はそんなにあっさりとカウンターを喰らうほどの弱っちい男じゃないはずなんだよ。…だとしたら君の脳に起きてる自称で考えられる事は一つだけだ」





オレと赤坂 明美。そして博士は知らないみたいだが、オレ達は脳が繋がっている。

しかも生きている状態で、ちゃんと脳が動いてる状態で。


博士曰く、そして予想通りではあるが植物状態でも脳が動き繋がっている。


その状態でオレに起きたのは…視界も、自分の動きも完全にスローモーションと化する現象だった。




「…あ。説明するにあたってコレだけは本当の事を確認したいんだけど、本当に全部がスローモーションに見えたんだよね?」


「…あぁ」


「だったら簡単だ!」



オレとあかみんが繋がっている事を証言する発言だったが、誤魔化せてないし正直に話した。

そして博士は笑顔で。いつも笑顔だが、更に笑顔で。


狂気すら感じるほどに身振り手振りでおちつきなく、でも笑顔で解説を続けた。




「君が見た物を、赤坂 明美の脳が完全に処理したんだよ!ぴったりと!君の脳波と一致して!単純に計算して君の脳は2人分の、2倍の処理速度を得てあいつ等の動きを見ていたってワケさ!」




正確には3人分だが、オレ達の脳が一つの脳となって普通以上の高スピードでの脳の動きを可能としたらしい。

それが体感として全てをスローモーションで感じられるのだと。


…正直、そんなのありか?と思うがそれも今更かもしれんな。


オレ達は確かに3人一緒に思考したりと、普通じゃない事を当たり前のようにおこなっているワケだから。




「けど、当たり前だが君自身の脳は一つだけだ。処理した情報が一度に全部君の中に入ってくるものだから負担が大きい。ほら、ゲームのメモリーでも必要以上にはセーブデータを入れられないだろう?普通はできない事を無理やりおこなったのだからそんなに辛いんだよ」




喋り終えて、博士は満足といった顔で銃を改めて向け直した。


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