2人について
…いや、あかみんは魔法の事について教えてくれたな。
オレが明美になっていた時に、身体が戻らないんじゃなかって言ったら魔法の資質がどうのこうので、そのうち戻るはずだ、と。
それは無意識ではなく、明らかな知識。
確かにオレの脳まで伝わってる事から考えると…。
…あまり考えたくないが、あかみんとエー君の脳の破損具合が影響しているのかもしれない。
あかみんは自殺とはいえ、その後がどうなったか分からない。
今、あかみんから来たと思われる情報を整理すると魔法とは…。
魔法の基本事項は肉体を物理的に壊す物ではなく、精神や魂といった目に見えない物にダメージを与えるものらしい。
あかみんを襲った黒スーツが使ったような魔法というエネルギーから氷を操れば物理的にもダメージが与えられることもあるらしい…が、詳しくは魔法使いじゃないオレには結局頭に上手く入ってこない。
ともかくあかみんの魔法には精神や魂にダメージを与えるもので、脳がおこしている脳波とか信号を攻撃するには一番にもってこいらしい。
つまり、あかみんは自分の魔法で自分の脳に直接ダメージを与えて脳波を爆発させた、と。
ゲームに例えるならHPではなくMPやTPといった精神的な物に攻撃してMPが0になった相手は気絶する…というのがあかみんの使う魔法らしいな。
で、あかみんは自殺こそしたが脳を壊しただけで生きている可能性もある。植物人間みたいな状況で。
そうなると脳がなんとか再び動き出し、完全ではないが記憶が戻っている可能性がある。
どんな生活をしていたのかとかは覚えていないが、日常の中でも更に当たり前の物。
会話の仕方や、ご飯の食べ方。自転車の乗り方みたいに魔法の簡単な知識とか。
どんなに勉強しなくなっても1+1が分からなくなる事ないだろ?
…って、あれ?という事はあかみんが自殺したの失敗でオレと脳波が繋がってる事を断ち切れてないんじゃ?
警察を呼ぶ事が頭に入ってなかったり、結構おっちょこちょいだなイタイイタイ!
怒ると頭痛をおこさせる攻撃止めてください。
そしてエー君の情報の事についてだが…。
これこそ今更だが、オレとあかみんはエー君の本名すら知らない。
夢で見たとある組織にスパイするエージェント。だからエー君。
それにエー君からは何の情報も貰っていない。
オレがエー君から貰っているのは…残金を確認しないと気が済まないクセや、周囲に目をやり人数把握したりこそこそしていた黒スーツに気が付けたりとか、そういう無意識からくるものだけだ。
エー君の武術もさっきニナに『通信空手感覚で習った物で適当にしか頭に入ってない』と言ったが…知識として、武術が頭に入っていないのだ。
身体が覚えているという…これも無意識だろうか?
オレやあかみんが黒スーツに攻撃する時…○○を狙って動きを止めてから○○に打撃を与えて昏倒させるとか、全く考えていない。
つまり、エー君の『記憶』や『知識』と呼べる物は全くオレの中に入っていない。
けどそれは…仕方のない事なのかもしれない。
あかみんはどのくらい実験を受けていたのか分からないが…エー君は身体も、脳も溶けるんじゃないかと思うほどの苦痛を味わい、全身から血が湧き出る感覚すらあった。
あかみん以上に、酷い状態で生かされている可能性がある。




