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オレンジ赤坂  作者: 雅弌
三位一体
13/60

助けてもらってばかりなのに

結局、なんとか黒井家では男に戻る事なく一夜を過ごす事ができた。

朝ごはんもご馳走になって握手会会場に向かう。


握手会が始まるのは午後2時からで午前中は会場の準備。

メイド服着て案内するスタッフだけでなく会場の準備する男手も足りなかったみたいなのでジャージを着てお手伝い。


午後1時には約束通り、アフタヌーン娘の楽屋に入れてもらって直々にサインまで貰ってしまったりした。ただ、『あかみんちゃんへ』となっているのがなんとも言えない。


あと綺麗な子ーとほっぺをぷにぷにツンツンされたのもオレの身体ではなくあかみんの身体なんだから嬉しくもあり、やはり切ない。


まぁあかみんの身体じゃなかったらそんな事されなかっただろうし、その点は感謝している。



握手会は午後5時まで。

今の時間は4時。あと1時間だーと思ったところで異変がおきる。




「…どうするよ、オレ」




身体が暑くなり、汗だくになっていると二ツ菜さんことニナを初めとするスタッフさん達に心配されて裏に回せてもらった。

もう、身体が焼ける、溶けるかと思うほど暑かった。


そして…気が付いたらオレの身体はあかみんからしのやんにボディチェンジ。


まだ忙しいからごめんね、とみんなが離れていってくれたのが幸いしたが男のメイド姿とか混沌すぎる。

すぐさま午前中に借りたジャージに着替え、スタッフとしてバイトしていた事もあり、専用口から誰にも気が付かれないように握手会のあるビルから脱出。


その後はこのジャージ姿もスタッフに見つかったら怪しまれるのであかみんの私服を買った時に学生服をコインロッカーに預けておいたので、それに再び着替える。





「お別れも何も言えなかった…」




今の姿でニナにも美菜子さんに会っても困惑するだけだろう。

むしろ頭がおかしい人と通報される可能性がある。


…まぁあの2人は優しいしそんな事しないかもだけど、オレとしてもこの状況はまだ把握できてないし説明できない。


戸惑っていたり、これからどうするかで頭がいっぱいだったから深く考えてなかったが、オレがあかみんの身体になるなんてのはおかしい。

あと、当たり前のようにあかみんと一緒になってしまったが魔法の存在すら訳わかんないよ。



…今のオレの荷物はスマホと金の入ってない財布と『あかみんちゃんへ』のサイン色紙のみ。

あ、結局使わなかった握手会の整理券もある。


整理券があれば混雑した会場内でも優先してくれるので残り時間が一時間切っていても、もう一回フタヌーン娘。に会えるだろう。

ちなみにこの整理券は平日しか貰えないし、ファンクラブでも番号が若い方じゃないと手続してもらえないレアな物だったりする。オレも相生もファンクラブの番号若い方だし、手続そのものは代役でもオーケーだ。





「せっかくだしもう一回行ってくるか。ニナにも会えるかもしれない」




…会ってどうするというのだろう。どうもしない、どうもできない。

けれど…自己満足でしかないけど、もう一度ニナに会ってから別れたかった。




しかし結局ニナに会うこともできなかった。

別のメイドスタッフに案内されてアフタヌーン娘。のメンバーと握手をする。


オレは頭の整理ができてなくて自分を観察できていなかったのだが、学生服で、しかも握手しても全然嬉しそうじゃなかったオレは結構目立っていたらしい。


それでも、ニナに会うことが出来なかった事にショックを受けていたのか周囲の視線なんて全く気にしていなかった。



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