三矢の教え(四百文字小説)
この物語はフィクションです。
しんちゃんは戦国武将の毛利元就が好きです。
「三矢の教えって知ってる?」
しんちゃんはドヤ顔でアッキーに尋ねました。
「知ってるよ」
アッキーはムッとして応じました。
「ホント?」
しんちゃんが疑いの眼差しをアッキーに向けます。
「ホントよ! しんちゃんこそ知ってるの?」
アッキーがしんちゃんを睨んだので、しんちゃんはチビリそうになりましたが、
「当然さ」
そう言って胸を張ります。
「じゃあ説明してよ」
アッキーは疑惑の目でしんちゃんに言いました。
しんちゃんはお腹が更に緩くなりそうでしたが、何とか堪えました。
「じゃあさ、ちゃんと言えたら、ご褒美にチュウしてよ」
しんちゃんが無理難題をふっかけます。
「いいわよ」
しんちゃんには正解はわからないと思ったアッキーは承諾しました。
しんちゃんはニッと笑い、
「一本の矢が失敗してもあと二本あるって事だよ」
アッキーはしんちゃんと話すのをやめようと決めました。
めでたし、めでたし。
ええ、どうせお粗末ですよ。




