表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双  作者: 四郎
第一章:数値が証明する“信じる力”

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/135

第16話 数字は嘘をつかない。だから俺は走る

二学期が始まると同時に、学校全体が妙に浮き足立っていた。

黒板の端には、クラス委員の誰かが描いた文字が目立っている。


「体育祭まで、あと二週間!」


普段なら、うんざりする行事の一つだ。

けれど今の俺にとっては違った。

胸の奥に、淡い熱が宿る。


(……ここで“結果”を残せば、もう誰も俺をバカにできない)


笑い声にまみれた教室の中で、

その思いだけが静かに燃えていた。



放課後。

制服のまま自室の椅子に腰を下ろし、ステータスウインドウを呼び出す。

青白い光が、薄暗い部屋の壁を照らした。



【現在のステータス】

・名前:佐久間 陽斗

・年齢:16

・身長:168.1cm(+8cm)

・体重:62.0kg

・体脂肪率:16%

・筋力:16.0

・耐久:17.0

・知力:13(+1)

・魅力:14.2

・資産:148,000円(+2000/日)

・SP:22.0

・スキル:早食いLv1/資産ブースト(+2000/日)/暗記力+10%/身体強化Lv1/恐怖心克服Lv1

・特別イベント:水城遥との出会い(進行中)



「……22ポイント、か」


スクロールして“スキルショップ”を開く。

画面には新たな項目が追加されていた。



【スキルショップ】

・SP7 → 瞬発力アップ(小)

 → スタート時の反応速度+10%。短距離走で爆発的な加速が可能。

・SP10 → スタミナ持久力+1

 → 長時間の運動で疲労しにくくなる。



(……体育祭に、これ以上ないスキルだ)


息を整え、指先でウインドウをタップする。



【スキル購入:瞬発力アップ(小)】(SP-7)

【スキル購入:スタミナ持久力+1】(SP-10)



「よし……これで、勝負は始まった」


残りSPは5。だが、それでも十分だった。

胸の鼓動が、ゆっくりと高鳴り始める。



翌日。

教室で「リレーの代表決め」が始まった。


「どうせ佐藤がアンカーだろ」

「うちのクラスのエースだし、速いもんな」


みんなの声が当然のようにひとりへ向かう。

その空気の中で、俺は静かに手を挙げた。


「……俺も、リレーに出たい」


一瞬の静寂。

すぐに、嘲るような笑い声が響く。


「は? お前、運動音痴だろ」

「50メートル12秒のやつが出てどうすんの」


佐藤が口角を歪めて言った。

「やめとけよ。怪我する前にな」


笑われても、心の中にあった熱は消えなかった。

「……やってみなきゃ分からない」


その言葉と同時に、視界に淡い光が走った。



【クエスト達成】

・内容:クラス代表に立候補せよ

・報酬:SP+2/魅力+1



(……上等だ。逃げる気なんて、もうない)



それからの毎日、俺は放課後の校庭を走った。

夕焼けに染まったグラウンド。

部活帰りの声が響く中、俺は黙々と足を動かす。


最初は、ただの無謀だった。

けれど、すぐに次のクエストが浮かび上がる。



【クエスト発生】

・内容:校庭を5km走り切れ

・報酬:筋力+0.5/耐久+0.5



「……夏休み、さんざん走ったんだ。やれる」


息が荒い。足が鉛のように重い。

それでも、地面を蹴り続けた。

夕陽が沈むころ、最後の一周を走り切る。



【クエスト達成/筋力+0.5/耐久+0.5】



「っは……っ、はぁ……!」


膝に手をつきながら、笑いが漏れた。

きつい。でも、確かに“上がってる”感覚がある。


翌日には、さらに過酷な課題が現れた。



【クエスト発生】

・内容:連続ダッシュ10本をこなせ

・報酬:筋力+0.5/SP+1



足がもつれ、吐き気をこらえながらも走る。

風を切る音。地面を蹴る感触。

倒れそうになりながら、それでも前に進んだ。


最後の一本を走り終えた瞬間――

体の奥から何かが“目覚める”感覚が走った。



【クエスト達成/筋力+0.5/SP+1】



数日後、さらにもう一段階の挑戦が待っていた。


【クエスト発生】

・内容:リレー練習でタイムを縮めろ

・報酬:耐久+0.5/SP+1


代表候補の連中と並び、スタートラインに立つ。

合図と同時に飛び出す。

前よりも――明らかに速い。


足の回転が軽い。

呼吸が乱れても、足は止まらない。


「……陽斗、意外と速くね?」

ざわめく声。

佐藤の表情が、わずかに曇った。



【クエスト達成/耐久+0.5/SP+1】



夜。

自室の暗闇で、ステータスウインドウを開いた。



※【 】内は今回上昇分

【現在のステータス】

・名前:佐久間 陽斗

・年齢:16

・身長:168.1cm(+8cm)

・体重:62.0kg

・体脂肪率:15%

・筋力:17.0【+1】

・耐久:18.0【+1】

・知力:13(+1)

・魅力:15.2【+1】

・資産:150,000円(+2000/日)

・SP:9.0【−13】

・スキル:早食いLv1/資産ブースト(+2000/日)/暗記力+10%/身体強化Lv1/恐怖心克服Lv1/瞬発力アップ(小)/スタミナ持久力+1

・特別イベント:水城遥との出会い(進行中)



数字が、確かに前へ進んでいた。

それがたまらなく嬉しい。


(ここまでやった。もう“笑われる側”じゃ終わらない)


拳を握り、夜空を見上げた。

窓の外の星が、わずかに瞬いていた。


体育祭で勝つ。それが、俺の“努力”の証明だ。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。これからも頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ