白い杖の少女
ブンブンブンブーブンブンブー(湘南コール)
きゃあー今日のバブ(ホークⅡ)は最高のコンディションだ、今ならラグナ・セカのコークスクリューも難なく走り抜けれそうな勢いだぜ、今の俺に追い付けるのは全盛期のエディ・ローソンかケビン・シュワンツぐらいなもんだ
もしかしたらスピードの向こう側ってやつも見えるかもしれねぇ
「前の暴走バイク、止まりなさい」
おいおいパトカーかよ、まあパトカーなんかには捕まらないけどね、よし必殺の路地裏ピットインだ
後ろを振り向き確認するとパトカーは曲がりきれずにそのまま直進、ハハッざまぁ
既にこの時に失敗をしています、重大な失敗を、狭い路地裏をバイクで走ってるのに振り向いてパトカーを確認、ここで何か起きないと物語は終わってしまうので残念ですが…
エエー、パトカーを振り切ったのを確認して前を見たのはいいけど何でそこに人?何でそんな真ん中を歩いてるの?
あ、無理だはっつく(転ける)
「ガシャーン」
「キャアー」
痛てー、てゆうか人だ人、大丈夫か?
あっ、何とか大丈夫ぽいな、同い年ぐらいの女の子が道の端っこでヘタレこんでた
「おいアンタ大丈夫か?」
「…」
「もう少し端を歩かないと危ないよ」
「…ごめんなさい、あともう一つ申し訳ないのですがそこら辺に杖がないでしょうか?」
「えっ、あんた目が…」
「結婚してくれ」
「でも私は目が…」
「この先ずっと俺がお前の目になってやるよ」
てなるのは数年後の話
-了-