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7 アメリアの〈好き〉

面白いんでしょうか、この小説?

自分は楽しく描いているのですが、みなさんがどう考えているか、わかりません。

いいところ、わるいところ、その他どんどん行って欲しいです!

私の名前はアメリア・イングラムと言います。

朝はランニングをして、体力づくり、たっぷりと5時間も全力疾走させられました。

力尽きそうになると母さんに体力回復の魔法をかけられて、地獄のような時間でした。

これを、毎日続けるというのですから先が思いやられます。


「むぐぅーーー」


そして今は、魔力を集める訓練をしていますが、少ししか集まりません。

兄と血が繋がっているのだからこのくらい簡単だと思ったのですが、 私には、才能がないのでしょうか?

少し心配になります。


「リア〜、調子はどう?」


母さんが練習を見にきてくれました。


「母さん、うまくいきません」


私がガックリとしていると母さんが呆れた顔をして言いました。


「あのね〜、あなたも異常なのよ。 普通は魔力の感覚を掴むのに2年はかかるのをあなたは一週間でやってしまったんだから」


「でも兄さんは1時間でやり遂げたと言っていました」


「あれは、異次元の天才よ。 カナタがいなかったら多分、魔法の素質はあなたが一番よ」


「そうなんですか? まあ、兄さんと一緒にいるためなら頑張りますけど……」


「ねぇ、リア」


「何ですか?母さん」


「あなた、カナタのこと好きでしょ」


「はい、兄さんのことは好きですよ?」


「いいえ、あなたが言っている兄妹としての好きでは無くて、1人の女としての好き、よ」


女としての好きって、あれですよね、抱き合ったり、キスとか、え、エッチなことをするあれ。

兄さんとそんなことしたい訳が…………


ボフッ


音を立てて顔が真っ赤になった。


わ、私ったらなんて事を考えているの?!

はしたない!


「そ、そそそそ、そんなきょとあるわけがにゃいじゃないですか?!」


「やっぱり好きなのね、でも、それは世間では当たり前のことではないのよ」


「ち、違いますって、そんなんじゃありませんから! 大丈夫です!」


その日は集中できなかった。

仕方なく寝床に着く。

ああ、もう! 兄さんのことしか考えられません!

これも母さんのせいなんですからね!

なかなか寝ることができません。

兄さんにこんな気持ちを抱いたの確か半年ぐらい前でしたでしょうか。

私たちは、草原の奥のポツンとした一軒家に住んでいて、魔物なんかは殆ど出てきませんでした。

年に一度、はぐれ魔狼が一匹、迷い込むぐらいです。

出てきても、母さんか、父さんがあっという間に倒してしまいます。

ある日、父さんは買い出しへ、母さんは友達の結婚式に行ってしまいました。

私は、兄さんとお留守番で、兄さんは修行に出かけていました。

突然、窓がわれて、ドタドタと音が響き、私がそれを魔狼の群れと気づいた時にはもう私に気づかれていました。

魔狼は気性が荒く、人を見るとすぐ襲ってきます。 しかし、驚くのはその圧倒的な繁殖力です。

魔狼は、同類、他の魔物、人、種族問わず、襲い、子供を孕ませます。

最終的には、魔狼の遺伝子が強く、体は殆ど魔狼の状態で産まれます。

絶体絶命。

そんな言葉が一番似合う場面でした。

私は、無力で、死を覚悟しました。

そんな時です、少しの衝撃と浮遊感が私を襲い、一瞬で景色が家の中から外へと変わりました。

驚きで目をつぶっていたのを開けると、100匹をいるであろう私たちの家を囲んでいる魔狼と、私を抱いている兄がいました。

兄さんは、それだけで人を殺せてしまえそうな殺気を放っていました。

この時の兄さんの方が魔狼より、遥かに怖かったです。

私の怯えた顔に気づいたのか、兄さんはすぐに殺気を解き、優しい顔で言いました。


「リア、ごめんな、俺が修行なんて行って。 怖かっただろう? 俺が魔狼達をやっつけてやるから、ちょっと待っててくれ」


そう言うと、兄さん周りに炎がたち上がり、兄さんが魔法を唱えました。


「くたばれ、〈スカーレッドクロス〉」


兄が魔法を口にすると、赤というにはあまりにも濃ゆい真紅の炎が、辺り50メートルほどを焼き尽くし、上空でクロスを描きました。


「綺麗……」


真紅の炎は圧倒的な破壊力と同時に美しさを持っていました。

炎が止むと、兄さんがこちらにきて言いました


「さあ、帰ろうか!」


その時の兄さんのまるで、夢を成し遂げたときのような笑顔に私は心を奪われました。

心臓が、もしかしたら、兄さんに聞こえているのでは? と錯覚するほど高鳴っていました。


「……………」


「どうした? 帰らないのか?」


黙っていてもしょうがありませんが、恥ずかしくて兄さんの顔が見れません。

仕方なく黙って帰ろうと思い、家の方を振り向くとそこには、大きなクレーターがありました。


「兄さん、家は?」


「えっ? それならそこに…………えっ?」


なんと、兄さんは家ごと焼き払ってしまっていたようです。

そんなに、自分を忘れるまで起こってくれたのかと思うと、なんだかこう、胸がもやもやしました。

今思うと、これは恋だったのでしょう。

今もこの、兄さんへの気持ちに変わりはありません。

今日、思わず母さんの言葉に反発してしまいましたが、私は、異性として兄さんが好きです。

大好きです!


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