19 執事
モグモグ……
俺たちは今、楽しく昼食を嗜んでいる途中…………ではない。
理由は単純、さっきからリアがミヤビに殺気を放っているからだ、食事中もミヤビを凝視している。
なんとかフォローを入れたいところだ。
「な、なあミヤビ、お前は戦闘で何が得意なんだ?」
「わ、妾か? 妾は主に短剣での近接戦闘が得意じゃな、妾は、あんまり魔力に恵まれなかったものでな……。
お主はどうなんだ? ラクス・ラインフォードを倒したほどの実力の持ち主の戦い方は少し気になる」
「ああ、俺か? まあ、実質ニ対一みたいなもんだよ、あとはお互いの行動をよみあって合わせるだけだ」
「ニ対一?」
「まあ、これから隠せるようなことでもないし見せとくか……。レイン」
俺は隣の席に呼びかける。
「わかったわ。 私、見せ物じゃないんだけど……」
「ごめん、最近こんなのばっかだな」
「まあ、いいけど……オープン」
頭に疑問符を浮かべているミヤビにレインのステータスカードを指差して誘導する。
レインは、疑問に思いながらもレインのステータスカードを覗き込む。
「白銀星ディアレイン……なんじゃこれ、物みたいな名前じゃな……じんき……神器?!」
「そうよ、あなたの言った通り私は神器よ。 レインって呼んでね」
すぐに、読み上げる。
「なんじゃこれ?! 滅茶苦茶ではないか!」
「でも、カナタはもっとすごいわよ」
「えっ?」
「まあ、隠してもないしな、レインだけ見せるのも俺の気がひけるし……オープン」
ミヤビが覗き込む
「はっ……? これ、学校行く意味あるんかの? なんで罪と加護が同時に成立しとるんじゃ! 見たこともない職業?! チートじゃろ!」
ミヤビは、驚きを通り越して呆れをも通り越して若干キレ気味だった。
「ミヤビはどうなんだ?」
「ふぅ、妾か? お主達ほど異常じゃないぞ……オープン」
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ミヤビ・グリンデ 15歳 女
剣士
体力 10000
筋力 10000
耐性 4000
魔力 500
魔操 500
敏捷 15000
スキル
短剣術Lv.5 縮地
ユニークスキル
疾風
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「おお、スピード特化型か……すげぇな!」
「お主に言われると嫌味に聞こえるんじゃが……」
「リアとちょっと似ているな、偏っているところが」
「そうなのか? 気になるがここは遠慮しとくのじゃ」
「そっか……そういえばリオンのステータスはどうなんだ?」
その場にリオンしかいなかったため、リオンだけに聞いた。
「私ですか? カナタ様程ではありませんが……オープン」
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リオン・スクラドル 20歳 男
執事
体力 25000
筋力 15000
耐性 15000
魔力 15000
魔操 15000
敏捷 15000
スキル
敵探知Lv.8 格闘術Lv.7 魔術Lv.7 事務 料理 家事
ユニークスキル
執事の責務 執事流戦闘術 執事流交渉術
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「なんか、執事になるためだけに生まれてきたみたいなステータスだな……」
「その解釈はあながち間違いではありません」
「お主のところの執事は何者なんじゃ?! 強すぎるぞ!」
「俺も初めて見た」
「そうですねここの執事やメイドは皆こんなものですよ」
「「「「ええっ!」」」」
俺、ミヤビ、いつもおとなしいレイン、さらにさっきまで黙ったままだったリアまで声を上げた。
「豪華な館じゃなと思っておったが、今はどうしても王国一の要塞に見えてならんのじゃが……」
「だよな、ひょっとして、ひょっとしなくても世界のトップクラスがここに集まってるよな……」
「いえ、私共なんてまだまだですよ」
「「「「そこ、謙遜するところか?!」」」」
「はは」
なんでこの状況をリオン 楽しんでるんだ?
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