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15 入学試験

今日は入学試験の日である。

武器は持参していいとのことなのでレインは念のため連れて行く。


「カナタ様、レイン様、くれぐれも、気を抜かないようにしましょう」


「ああ、わかってるよレナさん」


そこでレナさんがポケットから一封の手紙を取り出した。


「あと、これはライラ様からのお手紙です」


俺は受け取って読み取る。


「えっと……なになに?」


試験落ちちゃ〈(めっ)〉 だからね♪


「「えっ?」」


俺とレインは同時に目を擦った。


「な、なあレイン、これ何に見える?」


「わ、私には滅と書いてあるように見えるわ……」


「だ、だよな……」


ヤバイ、悪寒が走る。

昔から、たまに母さんのやっちゃダメの「めっ!」に重みを感じることがあった。

最初は気のせいだと思ったが、まさかこういう字だったとは……


「が、頑張ろう!」


「そ、そうね!」


俺たちは、落ちれば滅されるというプレッシャーに肩を落としながら受験会場に向かった。



「481番、入れ!」


「はい」


481(よわい)番、この弱そうな番号は俺の番号なのだ。


「試験内容は単純だ、ただ試験官と戦うだけ。 その中でどれだけの実力を持っているか判断する。 出し惜しみして受験に受かると思うなよ。 毎年、それで言い訳する奴がいるからな。 なーに、心配するな、 実力や、能力のことは絶対に学校外に漏らさない」


「はい、大丈夫です」


中は、窓はなく、明かりもないが、明るい。

これは光の初級魔法、〈フラッシュ〉だろう。

奥にはポツリと金髪のイケメンが立っている。


「やあ、早速だけど試験を始めよう」


「よろしくお願いします」


後ろの説明してくれた試験官も入ってくる。


「それでは……はじめ!」


まずは相手の出方を見る。

が、一歩も動かない。

相手もこちらの出方を伺っているということか。

ならばまずは肩慣らし。


「〈ウィンドボール〉」


ウィンドボールは初級の中で1番のスピードを持っている。

相手の力量を測るのには持ってこいというわけだ。


「どこに撃ってるの?」


振り返るとそこには金髪がいた。

俺がすぐに距離をとるとケラケラと笑い出した。


「へぇ、すごいね、今のは殺気も一緒に出したんだけどな、さすがノクトとライラさんの子供だね」


こいつ、父さんと母さんのこと、知っているのか?!


「凄いですね。 やっぱり僕も出し惜しみしてられません。 レイン、〈(ブレード)〉」


手の甲に黒い紋章が浮き出る。

俺の懐に入っていた。鍵の形態のレインが勢いよく飛び出し、大剣と化す。

音もなく、金髪の背後に回り込み瞬速の斬撃をくり出す。


「なんだ、この武器は?! それに、その紋章!」


金髪は何とか咄嗟に後ろに飛んで避ける。

しかし、俺はそれを読んでいたため、背後に回り込んで正拳突きを撃つ。

正拳突きが直撃した金髪はレインの元に吹き飛び、仰向けに倒れ、立ち上がろうとする。


「レイン、〈(ハンマー)〉。トドメだ」


立ち上がろうとする金髪にレインが巨大な鎚と成り、腹に強烈な一撃をくり出す。


金髪は地面に深くめり込み、意識を失っている。

これは〈破鎚〉のレインのユニークスキル、超強ノックバックの効果だ。

我ながらエグい事をした……


「えっ?」


試験官は唖然としている。


「あのー、もう行っていいですかね?」


「……あっ、はい! どうぞ、筆記試験の方へ、お移りください!」


何で、いきなり敬語?

まあ、いいか。


「レイン、戻れ」


するとレインは鍵となり、俺の懐に入った。


「ちょっとやりすぎじゃない?」


「そうかもな、結構強かったしな」


俺たちは、筆記試験のの会場は足を運ぶ。

この学校の試験は筆記試験が実技の後にある。

理由は、疲れた後にどれだけ冷静に頭を回転させることができるか測るためだそうだ。


俺はそもそも、あまり疲れていないため、あまり関係ないのだが。

しばらく待つと、筆記の試験官らしき人が会場に入り、すぐにプリントを配り始める。

配り終わると、会場中心に立ち、勢いよく開始の合図を告げる。


「筆記試験、始め!」


うちには本がたくさんあり、それなりに勉強してきた。

その甲斐あって、スラスラと問題は解けていく。

最後の問題だ。


下の魔法陣について、読み解ける事を書け。


俺が下は目をやると、それはなんと、母さんの使う、殲滅魔法についてだった。

母さんの使う殲滅魔法の陣は特殊で、普通の魔法のようにパターン、つまり公式のようなものには当てはめることができない。

しかし俺は実の息子、母の使う魔法の魔法陣くらい知っているのだ。

俺が最後の問題を書き終わること十分、先ほどの試験官がまたもや勢いよく終わりの合図を告げる。


「筆記試験、終了!」


ふう〜、やっと終わった。

俺はすぐに家に帰ることにした。


職員室では……


突然ドアを勢いよく開け、男性教師が息を荒げて入ってくる。

職員室の教師は、黙々と仕事をこなしていたため、突然の音に振り返る。


「みんな! 聞いてくれ! ラクスさんが受験生に倒された!」


「「「「えっ?!」」」」


そこで、1人の女性教師が立ち上がる。


「そんな、ありえませんよ、ラクスさんは世界でも5位ですよ!」


「ああ、でもこの目で見たんだ! 最初、ラクスさんがユニークスキル〈幻影〉を使って、後ろに回り込んだんだ。 するとすぐに後ろに下がって、武器を呼び出した。 それも、手のひらに黒い紋章を浮かべて」


「それって……!」


「ああ、あれは多分、大罪紋だ」

武器のセンスとかどうなんですかね?

よかったらポイント入れてください。

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