《黒白の翼》
世界を導きし絶対なる『王(おう)』がいないこの世界。
人々は己の欲求を満たすために集い団結し、集団を作った。
思考の伝播は光の速度で完了し、世界の至る所で同じように集団が現れ始める。
だが彼らも人間。一応馬鹿ではない。
自身らの利益を考慮した上で、集団は徐々に保身派と好戦派と分かれ始めた。
そしていつしか保身派は村や町へと、好戦派は軍団や盗賊へと姿を変えた。
ただ、やはり人間。馬鹿もいくらかいた。
特に好戦派より生まれた軍団。
彼らは度を超えた力の乱用により、世を混乱へと陥れた。
剣を抜き、弓を引き、魔法を唱え……。
力無き者を「邪魔」だと勝手に敵対し、無残に蹂躙する。
世界は不条理が至極当然と勘違いをし始めた。
……それが数年前までの話。
混沌のその後。突如として、最強と呼ばれていた四つの軍団が大侵略を起こした。
結果、暴走した多数の軍隊が彼らに無様に鎮圧される始末。
鎮圧された軍隊は、解散や他の集団の傘下への加入などの鎮静化を余儀なくされた。
それらを成功させた四つの軍団。
彼らは保身派の賞賛と好戦派の怨恨から、一線を超えた存在。
――『総軍』と呼称されることとなった。
かくして『総軍』の称号を手にした四つの軍団
その名は、
《天地界軍》
《蛇の大盾》
《英雄の集い》
そして――
……――――。
――――朝日は上り、夕日は沈む。
雲は流れ、雨となる。
誰かが言った。「当たり前だ」と。
誰かが言った。「至って常識」と。
では、こんな質問はどうだろうか。
『最強は一番強いのか』と。
しかし誰も答えない。……否、答えられない。
何故か? 簡単だ。
――不確定要素があるからだ。
そう。ものごとは一つの条件で確定することなど絶対にない。
球があれば、転がる、止まる、跳ねる、壊れる。
このように、あるだけじゃ何が起きるか分からない。
過去に下剋上が存在するように。
最強とはいえど、一番かは分からない。
その上で私(・)は言おう。
さあ、皆の衆。
これより彼らが紡いでゆくこの英雄譚を、
存分に楽しもうではないか。
人々は己の欲求を満たすために集い団結し、集団を作った。
思考の伝播は光の速度で完了し、世界の至る所で同じように集団が現れ始める。
だが彼らも人間。一応馬鹿ではない。
自身らの利益を考慮した上で、集団は徐々に保身派と好戦派と分かれ始めた。
そしていつしか保身派は村や町へと、好戦派は軍団や盗賊へと姿を変えた。
ただ、やはり人間。馬鹿もいくらかいた。
特に好戦派より生まれた軍団。
彼らは度を超えた力の乱用により、世を混乱へと陥れた。
剣を抜き、弓を引き、魔法を唱え……。
力無き者を「邪魔」だと勝手に敵対し、無残に蹂躙する。
世界は不条理が至極当然と勘違いをし始めた。
……それが数年前までの話。
混沌のその後。突如として、最強と呼ばれていた四つの軍団が大侵略を起こした。
結果、暴走した多数の軍隊が彼らに無様に鎮圧される始末。
鎮圧された軍隊は、解散や他の集団の傘下への加入などの鎮静化を余儀なくされた。
それらを成功させた四つの軍団。
彼らは保身派の賞賛と好戦派の怨恨から、一線を超えた存在。
――『総軍』と呼称されることとなった。
かくして『総軍』の称号を手にした四つの軍団
その名は、
《天地界軍》
《蛇の大盾》
《英雄の集い》
そして――
……――――。
――――朝日は上り、夕日は沈む。
雲は流れ、雨となる。
誰かが言った。「当たり前だ」と。
誰かが言った。「至って常識」と。
では、こんな質問はどうだろうか。
『最強は一番強いのか』と。
しかし誰も答えない。……否、答えられない。
何故か? 簡単だ。
――不確定要素があるからだ。
そう。ものごとは一つの条件で確定することなど絶対にない。
球があれば、転がる、止まる、跳ねる、壊れる。
このように、あるだけじゃ何が起きるか分からない。
過去に下剋上が存在するように。
最強とはいえど、一番かは分からない。
その上で私(・)は言おう。
さあ、皆の衆。
これより彼らが紡いでゆくこの英雄譚を、
存分に楽しもうではないか。
第一章 プロローグ
2017/08/25 15:37
(改)