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涼やかな星  作者: CWP代表取締役ディノニクス
ファルソ・ディオ教とファルクディア家
8/11

ヴァンパイア

吸血鬼のことをよく「ドラキュラ」と、言いがちですが、ドラキュラの意味は「龍の子供」だそうです。ドラキュラのドラはドラゴンのドラということですね。ドラゴンはヨーロッパでは悪魔を指す場合もあるとかでドラキュラは悪魔ということにもなるそうです。吸血鬼をドラキュラといったのは確か「吸血鬼ドラキュラ」という映画が最初だったと思います。


ちなみに、私は古今東西の妖怪や伝承なんかが好きです。きっと「ゲゲゲの鬼太郎」が好きなことが影響しているのだと思います。

ゲゲゲの鬼太郎にも吸血鬼はでてきますよね。確か西洋妖怪と日本妖怪の妖怪戦争の話だったと思います。

鬼太郎と言えば誰もが知る正義の妖怪ですが、墓場の鬼太郎時代なんかはヒーローとは言い難いようなダークなキャラクターでした。元々は2007年のテレビアニメで見ていたため原作とのあの違い性格の違いには驚きましたが、どちらも大好きな鬼太郎です。




ザクッ

「フギェヤァ!」

「フフッ!リター君って驚いた時ホント変な声出すよね…」

リターとエレナは並んで台所に立っている。エレナは鍋の様子見と肉焼き担当で、リターは野菜の千切りが担当、そしてリターはキャベツと同時に左手の人差し指を切ったのだ。それなりに血は出ている。と、エレナの目が少し紅らむ 。

「リター君、その手見せて」

「おぅ、いいけど?」

エレナは、傷口から出るリターの血を吸う。

「へ?何してん…の?」

「は⁉︎私はいったい⁉︎」

エレナが少しおどけてみせると、リターの強張った表情が緩んだ。

「イヤァーでも驚いたよねぇ!エレナが実は吸血鬼のクウォーターだったとはねぇ。」

「本当にビックリしたわよッ!って、なぁに笑ってんのよ!こっちは本気で不安になったっていうのに‼︎」

「ゴメンゴメン!でもまぁクウォーターにもなるとかなり薄まるのかね?俺、相手の正体にはかなり敏感なのに全然気付かなかったもん!」

「そうねぇ、私ですら自覚なかったし…大体私は、血液操作出来ないし人の血を吸ったところで何もないから…」

エレナが実は吸血鬼のクウォーターだとわかったのは、昨日の朝のことだ。いつも通り起きたエレナは、机の上にある置き手紙を読んでゼアルズとアランが王都に向かったことがわかった。その手紙には続けて本当の両親のことが書かれ、最後に『勝手に行くことを許して欲しい。必ず帰ってくるから、説教はその時に…テヘ』と書かれていた。エレナは、とても驚き、ひとまず数日間クールスターは休みになった。リターは驚きはしたもののエレナが吸血鬼か人間かはさして重要ではないらしく、『驚いた』以外の感想は言わない。エレナは、意識すれば目を紅く出来るようになったぐらいの変化しかない。ただ、普段は目が澄んだ青色なのでその変化が目立つ。そんな風に、ほのぼのと二人は過ごしていた。

バァーンッ!チリンチリンチリン!

食堂の扉が思い切り開かれた音に続いて、扉の上についてる呼び鈴が三度なり、音が店内に響く。

「あ、扉の鍵閉めるの忘れてた」

リターが思い出して口にする頃には入って来た者はカウンターから乗り出し気味にリターに話しかけて来た。

「リター!あんた前に剣士を自称したよな?それぐらいに強いって事でいいんだよな?」

「いや、だから、剣士だからね!愛刀とかはないから、今刀持ってないけど…」

「よし!ならいい!悪魔だ!悪魔が出やがったんだ!刀は用意してやるから倒してく-」

「悪魔はどこだ⁉︎」

「森の方から来やがった!今んとこは広場一匹だけどそれでも俺らにゃ、広場に止めんのがやっとだ!先に広場に行っててくれ!刀はすぐに届ける!」

「わかった‼︎」

リターはカウンターを飛び越えて、走り出した。広場につくと一匹の下級悪魔が暴れており、その攻撃を防ぐために大男が数人大楯をかついでいる。防戦どころか、一方的すぎた。

リターは、下級悪魔一匹も倒せないのが常人なのだと知り少し衝撃を受けた。そしてその周りを村中の人がほとんど全員慌てながら見ている。

「あぁ!やっと来たか!早くやってくれよ!あんた強いんだろ?」

「あぁ強いぞ?…そうだな、よし!みんな退がれ。……そしたら今度は…右端のあんた、俺にその盾渡してから退がれ…」

「あぁ」

男は言われたとうりにする。リターは盾を受け取ると革で包まれた持ち手ではなく、外側の金属部分に触れながら力を込める。と、盾が青い光を放ちながら刀の形へと変形していく。これはリターが使える唯一の魔法である【金属変形剣化】だ。触れている金属を剣にするというかなりピンポイントな魔法だが、剣士のリターには即席で剣を作り出せる相性のいい魔法だ。しかし、この魔法で作られた剣は三分間しか剣ではいられず、過ぎれば元の形に戻る。その魔法を使い大楯を両手で持つようなロングソードに変えた。それを片手で持つと、大楯をかついでいる大男三人に言った。

「下がっていいよ」

大男達が退がるとリターはまっすぐ悪魔に向かって歩いて行った。

「てやっ!」

なんとも軽い掛け声とともに、リターの二の腕あたりから下が一瞬見えなくなった。その腕が皆の目に見えた時には、悪魔の首は紫色の血を撒き散らしながら宙高くを舞っていた。

ドチャラッ!

石畳みに悪魔の首が落ち、紫血が飛び散る。

「ぅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!リィタァァァァ‼︎刀持って…き…た…って、もう倒してる?というか刀持ってる?なんで?」

最初みんなは動揺していたが、すぐに歓声が沸き起こる。その中で、リターは1人どこか遠くを見るような、何も見えてないような虚ろな目をしていた。その目の奥で光は屈折を繰り返して弱くなっていく。少し俯いて、家に向かうする。と、向こうから、この村では珍しい金髪の青年が走って来た。

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