それは夢か、現か
はい、恒例のロリといちゃつく回です。作者のロリコン疑惑が深まりに深まる一話となっております。
あれ……なんだこれ………?なんか、あったかくて、柔らかい……?
ぼやけた意識の中で、僕は腕の中にある、あったかくて柔らかいそれを、ぎゅっと抱きしめる。抱いていると、すごく安心する。もう一度まどろみの中に引き込まれそうになる。
この感触を離したくない。そんな一心で腕のなかの『それ』を抱きしめる力を強めた。そしたらなぜか、顔のあたりをぺちぺちとたたかれる感触が……。
ん?
急速に覚醒する意識。さっきよりかははっきりした目で、僕の腕の中にある『それ』を見やる。そこにいたのは……。
「えへへ、やっと起きた。おはよう、ネクロ!」
ネグリジェ姿のナルアで……って、はぁ!?な、なななななんでぇ!
「ナルア!?なんで僕のベッドに……。てか、何その恰好!?」
「これ?わたしのパジャマだよ?」
「ぱ、パジャマて……」
薄い白色の生地、太ももが完全に露出してしまうような短い丈、そしてもう少しで見えてはいけないものが見えてしましそうな胸元……。し、刺激が強い!
「えっと……へん、かな?」
「……いや、かわいいよ。可愛すぎてどうにかなりそうなくらい可愛い」
そういうと、うれしそうに笑って、また抱き着いてくる。やめて!僕の理性が!
…………………………本当に、やばい。
たった一日。一日離れていただけなのに。ナルアにあえたことが死ぬほどうれしい。こう、理性すらもナルアを求めているって感じだ。僕はこれほどまでに寂しがり屋だっただろうか?そんな自分に呆れつつも、その感情を捨てることはできそうにない。
そんなことを考えていたからだろうか?気が付いたら、僕は―――。
「ふぇ……ん」
ナルアの唇を、自分のそれでふさいでいた。
柔らかな感触と、口内をくすぐる甘い吐息。一度目のキスとはまた違った甘さが、僕の頭の中を蹂躙する。
二度目のキスは自分でも驚くほどすんなりできた。驚きに目を見開くナルアを至近距離で見つめながら、唇を離す。
「ネクロ……え、にゃ、にゃんで……ふぇ…………ふぇええええええええええ!!!??」
「くくっ、慌てすぎだよ、ナルア」
あわあわしているナルアの頬をなでる。それだけで静かになっちゃって、うるんだ瞳でこちらを見上げてくる。上気した頬は風邪をひいてるみたいに熱を持っている。
「ナルア……どうだった?」
「ど、どうって……?」
「ん?キス」
「え、えっとぉ…………う」
「う?」
不自然なところで言葉を切ったナルアは、とても恥ずかしそうにもじもじとすると、目をきゅっとつぶって……。
「う、うれしすぎて…………わたし、こわれちゃいそうだよぉ……」
縮こまりながら、そんなことを、か細い声でいうナルア。なんかこう、ゾクゾクしてくる。こう、行ってはいけないところまで行ってしまいそうな、そんな危うい魅力が、今のナルアにはある。
「そっか……じゃあ……」
ぐっと、ナルアの体を引き寄せる。柔らかな感触がからだにぶつかってきた。狭いベッドの上、どこにも逃げ場がない状況にナルアは気づいたようだ。それでも、抵抗する様子はない。抱きよせた体は震えているのに。
僕は、そんなナルアの顔の横に、自分の口元を寄せ、耳にいきを 吹きかけるように。
「こわれちゃおっか、ナルア?」
ナルアの耳元で、そう、ささやく。そして、ナルアの体を、ベッドのシーツに押し付けた。抱き寄せたり押し付けたりしたせいでネグリジェは乱れに乱れてる。ナルアの白い肌が、視界を殴りつけてくる。ぎりぎり見えないのが、また僕を揺さぶる。
ナルアの吐息が、ナルアの紅い瞳が、上気した頬が、艶やかな黒髪が、華奢な肩が、ほっそりとした鎖骨が、ささやかな胸が、だらりと脱力した腕が、汗ばんだ太ももが、絡みついてくる足が。
ナルアという存在が、僕のすべてを熱くさせる。
ナルアは、覆いかぶさった僕を押しのけようとしたりはしなかった。熱に浮かされた瞳で、僕の瞳を見つめてくる。ナルアの瞳に映った僕も、おんなじ目をしていた。
「…………………………ぃよ」
「なぁに、ナルア」
「いいよ、ネクロ………わたしを、こわして?」
もう、言葉は出なかった。ただ、自分の目の前にいる少女が愛おしくて、狂おしい。大切にしたい、守ってあげたいのに、壊したくて、めちゃくちゃにしたい。矛盾した感情がぐるぐると頭の中をまわる。回っていく思考は、バターのようにドロドロと、理性を溶かしていく。もう、僕を止めようとするものは何もなかった。そして、ナルアがまるで「いいよ」とでもいうように微笑んだのを見て……。
何かが、切れる音がした。
そして、衝動に身をまかせるまま、ナルアに手を伸ばし………。
「だ、だめぇえええええええええええええええええええ!!!」
突然開かれた扉とともに放たれた魔力弾に、吹き飛ばされた。
不意打ちで喰らったそれは、僕の精神ステとか関係なしに僕の体を打ち据え、意識を薄れさせた。
眩む視界に最後に映ったのは、驚いた顔で吹き飛ぶ僕を見るナルアと、涙目で杖を構えるリンネの姿だった……。
最近友達に、「ロリとのイチャコラばっか書いてるから、話進まないんじゃないの?」といわれました。ごもっともです。
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