久しぶりのラブコメ回
はい、タイトルの通りです。こういうの定期的に書かないと落ち着かないんですよ。
ギルドマスターとメリアさんとの話を終え、僕たちははギルドを後にして、宿に向かっていた。どうやらリンネたちも「渡り鳥の止まり木」の常連らしく、部屋をとっていた。
宿に到着。道中、リンネとノルンの姿を見て唖然としている冒険者たちの反応がとても面白かったですまる。
「いらっしゃい。って、おやおや、リンネちゃんにノルンちゃんじゃないかい。それに、ネクロくんも一緒なんだねぇ」
「ただいま、ローズさん。いきなりで申し訳ないんですけど、部屋をもう一つとれますか?」
「おや、新しいお客さんかい?ふむ…そこのお兄さんだね、いいよ、部屋は空いてるからねぇ」
「よろしくお願いします、ローズ殿。小生は月夜叉というものです」
「あらま、ネクロくんと一緒で礼儀正しいねぇ。おばちゃん気に入ったよ。じゃあ、こっちの帳簿にサインしてくれるかい?」
「あ、支払いは僕がしますので。とりあえず、一週間分で」
「はいよ」
宿屋の主人の奥さんであるローズさんは、気さくで話しやすい人だ。恰幅のよい体系もそれに一役買っているのかもしれない。
僕と月夜叉が宿屋の主人、ガイさんにお金を払い、宿泊の手続きをしている後ろで、リンネとノルンがローズさんと話している。
「ねぇねぇ、リンネちゃんとノルンちゃんって、ネクロくんとどういう関係なの?」
「ど、どうゆうって……その、えっと…」
「ネクロは、わたしの大好きな人。そして、リンネの好きな人でもある」
「まぁまぁまぁまぁ!そうなのリンネちゃん!」
「あ、あぅ……、その……はぃ……」
「あらあらあら!まぁまぁ!いいわー、若いわねー!あ、でもネクロくんって強力なライバルがいるんじゃない?ほら……ナルアちゃん!」
「うん、ナルアは強敵。でも、わたしはあきらめるきはないし、絶対に負けない」
「まぁ、……略奪愛?奪っちゃうのね?」
「うん」
「の、ノルン!」
「リンネだって、最近ネクロと一緒にいられなかったから、寂しいでしょ?」
「う、そ、そうだけどぉ……」
「う~ん、若いっていいわねぇ、おばちゃん、まぶしいわぁ」
「もう、ローズさんまで!」
……聞こえてますよ、お三方。めっちゃ聞こえてますよ。そんでめっちゃ恥ずかしいからやめてください。
「モテモテだな。ネクロ」
「がーいーさーん。からかわないでくださいよぉ……」
「それにしてもお前、冒険者ギルドにいるときとここでの態度違い過ぎないか?ほら、今日はかの『赤竜の咆哮』のクランリーダーに喧嘩売ってただろ?」
「あれは魔術師モードですよ。魔術師ネクロとしてはあの態度にしてるんです」
「魔術師モード…?うん、よくわからん」
「まぁ、そういうものだと思ってください。それより、ガイさん見てたんですか?」
「おう、ちょっと依頼を出しにギルドに行ったんだ。明日の朝には張られると思うぞ」
「ガイさんの依頼なら指名で受けますよ?食材の調達ですか?ここに野生動物とか魔物に詳しいやつがいますんで」
「それは小生のことか?まあ、詳しいといえば詳しいが…。あ、ガイ殿、これでいいか?」
「おう、いいぜ」
ガイさんはこう、男気あふれる渋いイケメンだ。どっかの自意識メンとは大違いである。歳をとったらこういう人になりたいなと思う。あれだね、月夜叉もイケメンだけど、こいつは僕にぼこぼこにされた時のイメージが強く残ってるから。
ガイさんとローズさんにお礼をいい、部屋に行く。月夜叉の部屋は僕の右隣、そして左隣がリンネとノルンの部屋だ。作為的なものを感じるこの配置はローズさんの仕業だとわかる。
「王よ、小生は休ませてもらっていいか?はっきり言ってそろそろ体力の限界だ」
「そういえばお前、一回死にかけてるもんな。いいよ、ゆっくりお休み」
「感謝する」
月夜叉はそういってさっさと部屋に戻っていった。まぁ、今日であいつの人生(鬼生?)はかなり変わったはずだ。疲れがでてもしょうがないだろう。てか、僕も進化したり[龍化]したり全力で魔法ぶっ放したりしたから疲れてる。早めに寝るとしますか…。
「まぁ、こうなることはわかってたんだけどね?」
「?どうしたのネクロ、いきなり」
「ううん、なんでもないよノルン」
僕の部屋には、当然のようについてきたリンネとノルンがいた。
「や、やっぱりネクロ、依頼で疲れてた?なら私たちは部屋に戻るけど…」
「あ、大丈夫大丈夫。それに、二人にあうのも結構久しぶりだから。ちょっとくらいつかれてても二人を優先するよ」
そんな寂しそうな目を向けられたら断れませんって。僕もこの町に来てからのこととか話したいし。
「二人の用事……冒険者ギルドの本部への報告は無事終わった?」
「うん、ちゃんと速攻で終わらせてきた」
「結構引き留めとかあったんだけど……えっと、早くネクロと会いたかったから、すぐ終わらせてきたわ」
「あいつらしつこかった。もう少しでたたき切るところだった」
「思いとどまってくれて何よりだよ。僕も、二人がいなくて寂しかったから、うれしいよ」
「………ネクロ!」
「わぁ!」
「の、ノルン!?」
いきなりノルンが首に抱き着いてきた。そのまま僕の胸に頭をこすりつけるノルン。僕はその頭をできる限り優しく、なでなでする。やっぱしこういう時のノルンはカワイイ。こうやって甘えてくれていいるという事実は、素直にうれしいし。
前世でも妹にはよくこうやって甘えられていたなぁと少し干渉に浸っていると、下からノルンのじとっとした視線を感じた……。
「……ネクロのバカ」
「突然の罵倒!?え、僕何かした!?」
「知らない」
そういって僕をぎゅうぅと強く締め付け、顔をうずめるノルン。ほ、本当にどうしたんだろうか……。
ところで、リンネさん?なんで頭頂部を僕のほうに差し出してるんですか?
あー、三章の息抜きに各ヒロインのデート回でも書こうかなーとか思ってるけど、そんなの三章終わってからに決まってるだろと自分に突っ込み。
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