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中二病幽霊が、異世界でおこす嵐、その物語です  作者: 原初
冒険者と第一ゲーム
48/80

ネタばれ

 さてと、どうしたものかね。この状況。リンネとノルンが僕の背後に隠れ、そして目の前では自意識過剰イケメンが僕をにらみつけている。月夜叉は……あ、あいつ隅っこのほうで隠れてやがる。


 えっと、どういった状況かを簡単に説明するとね……。


 ギルド到着→オーガエンペラーの首獲ったどー!→依頼の報告→いつぞやのテンプレ君&自意識過剰イケメン登場→自意識メン「僕のクランに入りませんか?」リンネ&ノルン「だが断る」→今ここ。


 そんで、断られるなんて露にも思っていなかったらしい自意識メンさんが、こうして怒り狂っているということである。


「……貴様、そこをどけ。僕はコード嬢とブリンガー嬢に話があるんだ。貴様のような低ランクに構っている暇はない」

「はっ、笑わせてくれる。先ほどの二人の返事を聞いていなかったのか?それとも、お前についているその耳は飾りということか?……ああ、なるほど、二人の言葉を理解できる知能がお前にはないということだな。かわいそうに」

「僕を侮辱するか!このSランク冒険者、『竜殺し(ドラゴンスレイヤー)』のアレイス・シャリオを!」

「御大層な肩書だな。それにお前がSランク?はっ、リンネとノルンに比べたらお前、チリみたいなもんだぞ?」


 うーん、僕自身が魔術師モードだから、どうしても煽ってしまう。適当にあしらってしまいたのだが……。てかこんなんでもSランクになれるのかー。リンネやノルン、そしてギルドマスターと比べてしまうと、目の前にいる彼の実力は、今あげた三人のなかでは底辺だ。月夜叉ならたぶん一撃でヤレル。でもあの鬼野郎さっきからわれ関せずを貫き通し過ぎなんだが…。


「さて、アイラ。改めてだが、ギルドマスターに話しがあるのだが、大丈夫か?」

「あ、はい。ギルマスなら今は執務室にいると思うので。もしよかったら、ご案内いたしましょうか?」

「ああ、よろしく頼む。ほら、リンネ、ノルンも、いつまでもくっついていないで行くぞ」

「わかったわ、でもグランドさんにどんな話があるの?」

「おっさん、久しぶりにあう」


 グランドさんはおっさん扱いですかそうですか。ノルン……グッジョブ。


「ま、まて貴様!なにどうどうと無視しているんだ!話はまだ終わっていないぞ!」

「そうだそうだ!てかリーダーに向かって失礼なんだよこの詐欺師やろぶぺいらっ!?」


 あ、つい反射でやってしまった。もうイート君にショックインパクトを叩き込むのが与えり前のようになってしまった。アイラさんも倒れ伏すイート君をみて、「あ、またか」みたいな顔をしている。


「い、イート!?くそ、貴様よくもイートをぉ!」

「まったく、話を聞かない奴らだ。アレイスといったか?お前の目的は、リンネとノルンをその『赤竜の咆哮』とかいうダサい名前のクランとやらに勧誘することであっているな?」

「だ、ダサい……」

「二人はお前のクソダサいクランには入りたくないそうだ。おとなしくあきらめたまえ」

「く、クソダサい……」


 呆然としている自意識メンは放っておき、アイラさんにギルドマスターの執務室に案内してもらう。もちろん月夜叉も一緒だ。てか、こいつはいつの間にか壁の模様から僕のそばに移動していた。お前剣士じゃなかったの?なにその暗殺者スキル。


「ははは、ネクロさんって本当に物おじしませんよねー。でも、『赤竜の咆哮』ってそんなにダサいですか?」

「大方、あいつが殺した竜が赤竜だったということでつけた名前だろ。ひねりがない」

「容赦ないですねー。たぶん、聞こえてますよ?」

「聞かせてるんだよ」


 いやいや、[中二病]としてはそこは譲れないなぁ。もっとかっこよくてオサレな感じにしてから出直してきなよ、自意識メン。


 あと、リンネさんにノルンさん?アイラさんと話しているのは事務的なことだけですよ?


 だから、背中をつねる手を離してください。なぜか痛いんですから。



==================================



 アイラさんに案内されてきたのは、ギルドの最上階にある部屋。執務室というプレートがかかった重厚そうな木製のドアをアイラさんがノックする。


「受付嬢のアイラです。ギルドマスター、ネクロさんとリンネさんにノルンさん。その他一名がお話があるということで連れてきました」


 その他一名扱いされた月夜叉が地味にショックを受けている中、ドアが開き、中からメリアさんが顔をだした。


「えーっと、ちょっとどういう組み合わせかわからないけど………とりあえず入って頂戴。ギルドマスターが待っているわ」


 メリアさんに導かれ、執務室の中に入る。部屋の中央に置かれたソファに、ギルドマスターは座っていた。


「おー、賢者の嬢ちゃんに剣王の嬢ちゃんじゃねぇか、久しぶりだな」

「相変わらずお元気そうでなによりです、グランドさん」

「久しぶり、おっさん」

「ぐっ……剣王の嬢ちゃんよ、そろそろおっさん呼びは勘弁してくんねぇかな……」

「ピッタリの呼び名だと思いますよ。ねぇ、ネクロさん」

「ああ、そうだな、ギルドマスターによくお似合いの名だ」

「お前ら、俺をいじめてそんなに楽しいか?てか、ネクロとその二人は、どういう関係なんだ?」

「ああ、今日はそれを説明に来た。話を通しておいた方が、何かと厄介なことにならなくて済むからな。まぁ、話はそれだけじゃないんだが………。そうだ、リンネ。時空魔法で私たちを亜空間に連れていくことは可能か?」

「ええ、それくらいならお安い御用よ。アナザーワールド」


 リンネがそう魔法名を口にすると、次の瞬間には何もない薄暗い空間に飛ばされていた。どうやらここが亜空間らしい。


「相変わらずとんでもないな……。で、ネクロよ。ここに俺たちを連れてきてどうするつもりだ?」

「あまり聞かれたい話でもないのでな。それに、あそこじゃ狭すぎる」

「狭い……どういうことですか?」

「こういうことだよ。[龍化]」


 僕の体が光に包まれ、徐々にその体積を増していく。進化してからは初めてとなる[龍化]だ。どうなることやら……。


 やがて、光が晴れる。視点がかなり高くなり、そして下にいるみんながやけに小さく見えた。


 んー、大きさはちょっと大きくなった感じかな?全長は三十五メートルくらい。体が真っ黒になったことぐらいかな………って、かなりの変化だぞこれ!?


 やっぱりあれかなー。魔帝死霊龍アジ・ダハーカだからかなー。悪役っぽい感じだからかなー。


「は、はぁ!?りゅ、龍……だとぉ!?」

「………えぇ…ね、ネクロさんが…龍族……?でも、なんで冒険者なんかに……」

「あら?ネクロったらまた進化したの……。まったく、どんどん強くなるんだから……」

「ネクロ、かっこいいーー!!」

「これが王の真の姿……。予想以上だな」


 なんか予想通りの反応ありがとうございます。さてさて、この状態になったことだし、ギルドマスターとメリアさんには、改めて自己紹介をしておきますか。


「私……いや、僕はネクロ。普通の魔帝死霊龍アジ・ダハーカだよ。よろしくね」

「「普通のってなんだよ!!」」


 元気のいい突っ込み、ありがとうございます!


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