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中二病幽霊が、異世界でおこす嵐、その物語です  作者: 原初
冒険者と第一ゲーム
38/80

きな臭い初依頼1

ナルアはちょっとお休み。ここから少しバトルになるかも

 ナルアと夢のような時間を過ごした夜から一夜あけ、翌日。ナルアは今日はお休みである。なので、一人でギルドに来ていた。


 ギルドに来た目的は、初めてのおつか………依頼を受けるためである。冒険者になって初めての仕事。一体何だろうな。やっぱり最初はゴブリンとか薬草の採集とか……あ、駄目だ。僕、Cランクだからそういう簡単な依頼は受けられないじゃないか。なんてこったい。


 そのことに少しショックを受けつつも、ギルドの扉をくぐり、中に入る。相変わらずの人の多さ。まだ朝の七時くらいなんだけど?


 どうやら、この混雑の原因はリンネとノルンにあるらしい。僕が二人と一緒に攻略したダンジョン、『冥界回廊』は世界に五つしかないXランクダンジョンの一つらしい。なんでも、今まで誰一人としてそのダンジョンを攻略できたものはいなかったらしい。そんなダンジョンを、前々から天才美少女冒険者二人組として注目を集めていた二人が攻略したことによって、世界中の冒険者にそのニュースが知れ渡ったらしい。そのせいで、こうして冒険者たちがやる気に満ち溢れているというわけだ。


 さてと、掲示板はどこかな……?あの人だかりのできているところか。行ってみよう。


 うーん、近くに来てみたはいいものの、人が多すぎて掲示板が見えないんだが……。どうしようかな。まさか魔法で吹き飛ばすわけにもいかないし……。


「あ、て、てめぇ、詐欺師野郎!」


 背伸びしたら見えないかな?……駄目だ。大体みんな僕より背が高い。くそう[浮遊]が使えれば一発なのにぃ……。


「おい、無視するんじゃねえぉ、この詐欺師野郎!なんでお前が冒険者ギルドにいやがるんだよ!こっち向けやコラっ!」


 お、親切なおっちゃんが道を開けてくれたぞ。ありがたい。ちゃんとお礼を言ってから掲示板の前に行く。て、もう依頼ほとんどなくなってるんだが……。


 掲示板はキチンとランクごとに仕訳されていて、低ランクになるほど依頼の数は増えていっている。Aランクの依頼とか数枚しかないんだけど……。


 僕はせっかくなので、Bランクの依頼を見てみる。Aランクに比べれば多いが、そこまで数があるわけじゃない。どの依頼にしようかな…。


「ぷはぁ!やっと抜けられたぜ…。てめぇ、詐欺師野郎が、よくもこの俺に恥をかかせてくれた「ショックインパクト」ぶぽぁっ!?」


 うーん、専門的な知識がいりそうな採集系はやめておくか。討伐系にしよう。あ、これなんかいいんじゃないかな。「オーがジェネラルの討伐」だって。報酬が白金貨5枚とほかの依頼よりかなり多い。でもこれ、紙が結構劣化してるような……。人気ないのかな?


 僕がオーがジェネラルの討伐依頼を手に取ると、周りの冒険者たちからどよめきが聞こえてきた。なんですか…?


「おい。あいつ、あの依頼を取りやがったぞ…」

「ああ、今まで、高い報酬につられて挑んだ冒険者たちが次々と帰らぬものとなった…」

「その名も、冒険者ホイホイ!……見ない顔だが、もしかして新参ものなのか?」

「おいあんちゃん!悪いことは言わねぇ、その依頼はやめとけ!」

「そうよ、その年で命を散らすことはないわ」

「その依頼で、マイクは、マイクは……………うわぁああああああああ!!」


 ………阿鼻叫喚とはこのことだろうか。依頼書を手に立っている僕は、たくさんの冒険者の方々に取り囲まれ、依頼を受けることをやめるように説得されていた。そんなに難しい依頼なのか……?


「いや、私はこの依頼を受けるぞ」

「「「「な、なんだってぇーーー!!」」」」


 仲いいなこいつら。


 まぁ、僕の見た目的には、まだまだ子供って感じだし。でも、侮られているってのはちょっと腹が立つな。


 なので、僕はある魔法を発動することにした。魔法と言っても、そこまで複雑なものではない。[中二病]で強化された、僕の実力をわかりやすく知らしめるための魔法を。


[魔覇ドーク・インベンジョン]」


 そうつぶやいた瞬間、僕から発せられた不可視のナニカが、冒険者を通り抜ける。


「「「「「ッ!!??」」」」」


 僕の周りにいた冒険者たちが、一斉に顔を青ざめさせ、くちびるを震わさせる。その瞳には、明確な恐怖が刻み込まれている。


「貴様ら、私がこの依頼を受けることを、無謀だといったな……?」

「「「「「…………」」」」」

「言ったな?」

「「「「「は、ハイ!!」」」」」


 震える声でそう答える冒険者たちの姿に、少し笑ってしまいそうになるが、それではこの冒険者たちをおびえさせた意味がなくなる。


「確かに、この依頼を受けた冒険者たちは、一人たりとも帰ってこなかったかもしれん。だが、そいつらと私を、なぜ同一視する?」


 僕は片手を顔の前に持ってくると、その手を開き、顔を半分隠す。


「私は、強い」


 ここで[魔覇ドーク・インベンジョン]の出力を上げる。もう震えが携帯のバイブみたいになっている人もいる。


「私は魔術師のネクロ。今、この場にいる全員が私に襲い掛かったところで、私に傷一つつけることはかなわない。私はそういう存在だ」


 冒険者たちを睥睨しながら、顔を隠していた手を高らかに掲げる。そして、その手にアイテムボックスから出したウロボロスを握る。


「案ずるな。私は負けん。見事、オークジェネラルを討ち取り、その首をここにもってかえることを約束しよう!」


 このタイミングで、魔力を放出。高密度の魔力は炎のように揺らめき。まるで僕を覆うオーラのように見える。


「「「「「ッ!!ぅおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」」」」


 冒険者たちは、興奮したかのように叫び声をあげ、「ネクロ!ネクロ!」と僕の名前を連呼し始めた。煽りの成功である。


 見事に乗ってくれた冒険者諸君の声を背に受け、僕は意気揚々とカウンターに依頼書を渡すのであった……。

あ、お、り♪



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