表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
中二病幽霊が、異世界でおこす嵐、その物語です  作者: 原初
冒険者と第一ゲーム
35/80

冒険者登録試験、戦闘

はい、ちょっと久しぶりに戦闘シーンを書きます。まるでなってないけど、生暖かい目で見守ってくださるとありがたいです。

「軽やかなる加護を、疾風!」


 まず、自分に敏捷を底上げする付与魔法をかけ、ギルドマスターの突進からの振り下ろしを横っ飛びで回避。ギルドマスターは体に、魔力と、そして闘気と呼ばれる身体能力を上げる力をまとっている。その2つを混ぜあわせて……。やべっ、錬気法か!


 錬気法は身体能力の強化に特化しており、前衛と相性がいい。その代わり、魔力と闘気を同量きっちり混ぜ合わせないといけないので、扱うのはとても難しいらしい。ノルンは簡単そうに使ってたけどね。


 そんな錬気法をまとったギルドマスターの動きは、目で追うのがやっとな速さになっていく。その速度で振るわれる戦斧を食らえば……たぶんかけらもダメージを受けないだろうが、それだと意味がない。今ここには。魔術師のネクロとしているのだから。


「大地よ、渇きを受け入れろ、砂化!」


 ギルドマスターの動きを先読みして、そこの地面を砂に変える。だが、これでとらえられるとは鼻から思っちゃいない。


「甘いなっ!」


 案の定、ギルドマスターは砂になった地面を跳躍して回避。だが、それが狙い目である。空中なら、激しい機動はできないだろ!


「飛翔せよ、焔の穿撃、赤弾!」


 今は威力よりも速度重視。炎の銃弾を6発、ギルドマスターを覆うように発射する。


「ふんっ!」


 それを戦斧を一振りするだけであっけなくかき消してしまうギルドマスター。やはりそんなに甘くないか……。


 ならばと手数を重視した魔法をばらまいていく。数うちゃ当たるの戦法である。戦法といえるほどでもないが。しかし、それだけではギルドマスターを止められないのは明白なので、ところどころで、威力の高い単発の魔法を放っていく。


「ははははは!やるじゃないか!Bランク冒険者でも、今のをしのぎ切るのは難しかったと思うぞ!」

「それを軽くあしらうあんたはいったい何なんだ!」

「俺は元Sランクの冒険者だからな。この程度じゃまだまだ!」


 なるほど、この強さもうなずける。さっきから魔法を打ちまくっても、その弾幕の中をまっすぐ突き抜けてくる。はっきり言って、怖い。


 こんな早くに使うつもりはなかったんだが……。しょうがない!


「【無限円環 ウロボロス】、[束縛スリザリンセシ鋼蛇バインド]!」


 僕がそう叫ぶと同時に、ギルドマスターの足元に魔法陣が表れる。そこから這い出して来るのは、金属の体を持った蛇。それがうじゃうじゃと湧き出てくる。はっきり言って気持ち悪い。


「なんだこいつは!キモい!」


 蛇たちはギルドマスターの体に絡みついて、その動きを阻害する。さらにこの蛇たち、魔力を吸い取るという性質を持っているため。ギルドマスターはなかなか抜け出せない。素のステータスでこの拘束から抜け出せそうな時点で普通におかしいんだが……。って、そうじゃない、感心してる場合じゃなかった。この隙に、特大の一撃を叩き込んでやる。


「集え、炎精、嵐精よ。青き炎は燃え上がり、猛き嵐は荒れ狂う。燃やせ、飛ばせ、焼け、引き裂け、熱せよ、巻き上がれ。互いを食らい、はるか高みへと昇華せよ」

「はぁ!?な、なんだよその詠唱は!?」

「あまねく万物に、灼滅と暴虐の運命あれ。ただ一つの救いはなく、欠片の慈悲もなく。ただ無情に破壊せよ。蒼炎大嵐よ、来たれ![颶風巻ヴォルテックスオブこる灼天メギド煌翠カタストロフィ]!」


 これぞ中二の最骨頂!詠唱を一晩かけて考えた力作である。風と炎の間には、属性的な相乗効果があり、それを利用し、威力を何倍にも上げる魔法である。詠唱にも[中二病]が発動したらしく、これまで以上に強化されているのだ。


 ギルドマスターを包み込む蒼炎と刃の嵐。これ喰らって生きていられるやつっているんだろうか……。と、考えたところで、そういえばこの魔法、ノルンに破られていたような気が……。


 そう思った時には遅かった。突然僕の発動した魔法が掻き消えて、中からギルドマスターが全身に傷を負って出てくる。しかし、致命傷になるほどの重傷は見られない。頑丈すぎませんか!?


 しかし、あの魔法はランク10の魔物でも動けなくなるほどのダメージを負うはず……。それであの程度ってのはちょっとおかしいんじゃないだろうか?


「おうおう、効いたぜ今のは。トンでもない魔法を使いやがる。しかも今の、全力じゃなかっただろ?」


 建物を壊さないように一応気を使っていたのがばれたみたいだ。


「これは試験だぜ?遠慮なんかするんじゃねぇ、思いっきりぶち込んで来い!」

「そうか……。なら、そうさせてもらおうか!」


 まだ魔法をかき消された手段とか、そういうのはわからないけど、やっていいというならやってやろうじゃないか!


 やっぱり最大威力をぶっ放してこその魔法だよね!


「【無限円環 ウロボロス】、起動。[終焉訪アンリミテッドれぬ星霜スターズ]」


 この長杖、【無限円環 ウロボロス】は、ただ魔法の補助をするだけのものではない。僕の[中二病]によって強化された結果、無限の名を冠するこの杖は……。


「おいおい、それは何の冗談だ……?」


 ギルドマスターの周りをぐるりと囲むように、火属性魔法の「焔之槍」が展開されていく。炎で形作られた槍は、その数をどんどん増やしていく。その増殖に、終わりはない。


 【無限円環 ウロボロス】の効果は、発動した一つの魔法を、永遠に増殖させ続けるというもの。尽きぬ弾薬というわけだ。まあ、一つの魔法しか増殖させられないし、効果を一回使ったら、次の日までは使えないし、僕の魔法の腕だと、まだ中位魔法までしか増殖させられないし。そこまで使い勝手がいいものじゃない。


 それでも、こうして狭い空間で使うのなら、その効果は絶大である。どこにもよける隙間のない。そして防御したとしても永遠と途切れることない攻撃というものを味わってみたらいいさ。


「さぁ、踊れ」

「くっ、うぉおおおおおおおおおおおおお!!!」


 パチン、と指を鳴らす。それを合図に、炎の槍がギルドマスターに突き刺さる。ギルドマスターも錬気法を全開にして次々にそれを打ち落としていく。先ほどの魔法の弾幕と同じような状況。ただ一つ違うのは、ギルドマスターを襲う弾幕が弾切れを起こさないことだ。


 徐々に、ギルドマスターの体に魔法が命中するようになっていく。それに伴って動きが繊細を欠いてきた。


 そしてついに、均衡が崩れた。


「うおっ!」


 ギルドマスターの手から戦斧が吹き飛ぶ。飛んでいく戦斧を見送ったあと、こちらにひきつった顔を見せるギルドマスター。


 僕はそれに、満面の笑みを返し、


「くたばれ」

「ギャァアアアアアアアアアアアッ!!!」


 容赦なく魔法を打ち込み続けるのだった。

新作が書きたい。ちょっとSAOの新作ゲーム買ったからVRMMOものが書きたくなってきた。



感想や評価、ブックマークをくださると大変ありがたいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ