転生ひゃっほい
よろしくです
転生しました、それも、異世界に。
いや、まって、違うから。頭がおかしくなったとかそういうのじゃないから、狂ってもないから。そんなかわいそうな人を見る目で僕をみないで!ちゃんと説明するから!
では、気を取り直して……コホン。
僕、夏目イスミは、ごくごくありふれた高校に通う、現在高校二年生の、ごくごく普通の学生である。家は父親がサラリーマン、母親が専業主婦という一般的な家庭。三つ下の妹も、普通の女の子だ。
僕自身も、無害で無価値な一般ピーポーである。ただ、ちょっとオタク趣味がすぎるくらいだ。あと、現中二病患者。
え、それだけでもう普通じゃないって?いやいやいや、そんなことはないよ。オタクといってもデブでも眼鏡でもないし、身だしなみには結構気を使っている。ただ、二次元の存在が大好きなだけなのだ。容姿だって、妹からは、上の下くらいって言われてる。身内びいきを抜きにしても、一般的な容姿なんじゃないだろうか?
でも、アニメゲーム漫画ラノベフィギアアニソンエトセトラエトセトラ……。を好きってだけで、周りの反感を買うことはあるみたい。早い話、いじめられていたんだよね、僕。
わが座右の銘である『二次元は三次元にかなわない』をもとに行動してたら、クラスの一部の方々、具体的には、ヤンキー(笑)に目をつけられてしまった。こちらとしては、ハイハイ、テンプレテンプレ。お疲れさまでーす、という感じだ。
僕の何がそんなに気に入らないのか、悪口、ものを盗む、暴力と、いろいろとやってくれましたよ。こっちがオタクだからとなめていたんだろうね。なんの警戒もせずに、いじめ行為におよんでいるヤンキー(笑)。
そのいじめ行為が、全部記録されているとも知らずに、ご愁傷サマです。
十分すぎるほどに証拠の類がそろったところで、それを学校と警察に大放出。あっという間にヤンキー(笑)たちは退学&少年院送りになりましたとさ、めでたしめでたし~……とは、行かなかったんだよねぇ。
僕が少年院送りにしたヤンキー(笑)の親のうち一人が、俗にいうモンスターペアレントというやつだったみたいで、息子が少年院送りになって人生めちゃくちゃになったのは僕のせいだと、声高らかに言いふらしていたみたい。
僕のところにも、今すぐ訴えを引っ込めろとか言ってきたけど…………。
正論武装で、反論できなくなるまで滅多打ちにしてやりました☆
いかにヤンキー(笑)の行為が人の道を外れた行いなのか、そしてその行為によって僕のうけた損害がどれほどのものだったのか、それを懇切丁寧に一から説明してやったのだ。まあ、損害とかとくにないんだけどね。
それでモンスターペアレントさんがとまればよかったんだけど、子供の僕に言いくるめられたのが悔しかったのか、もともと頭の弱い人だったのか、僕に逆切れして襲い掛かってきました。
突然のことにとっさに反応出来なかった僕は、そのまま押し倒され、後頭部を強打してしまった。なお、打ち所が悪かったのか、激痛とともに押し寄せてきた『死の予感』が、僕の死を明確に僕に教えていた。
で、死んじゃったみたいなんだよね。あっさりと。
ん?なんで死んだことが分かったか?それは今から説明する。
僕が次に目を覚ました時、そこは、見たこともない場所だった。西洋風の墓場。墓石が立ち並ぶ、古風なお墓。
なんとなく、今から埋葬でもされるのかと一瞬考えたが、日本での埋方法は火葬であり、土葬ではない。しかも、頭を強打した人間を墓場に運ぶ馬鹿がいるだろうか?普通病院だろう。と、妙に冷静に突っ込みを入れていた。
そして、自分の体の状態を確認しようと体を見下ろすと……これまたびっくり、なんと僕の体が半透明になっているではありませんか。さらには、膝から下があいまいになっていた。
見覚えのない西洋風の墓場。それと、幽霊みたいになっている僕の体。そのとき、僕の脳裏に、きらりと閃くものが……。
―――――――――これは、もしかしてもしかするんじゃないだろうか、と。
稼働し始めたオタク知識と、中二病が、僕にある可能性を告げた。それを確認するために、僕は、ある言葉を叫びあげた。ほら、あれだよあれ、異世界ものの小説でのテンプレ中のテンプレ。
つまり
「スティイイイイイイイタスゥウウウウウ、オォオオオオオオプンンンンン!!」
と。
そしたら、でました、出ましたよ。宙に浮かぶ半透明の板のようなものが。厚さのないそれには、文字が刻まれていた。そう、僕の予想通りの内容が。
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???
種族/レイス ランク1
レベル1
生命力 5 魔力 50000
筋力 0 耐久 3 敏捷 7 知力 666 精神 99999(カンスト) 運 4
種族スキル
[念力][憑依][浮遊][透過]
スキル
[なし]
固有スキル
[中二病]
称号
[異世界より転生せしもの][神の謝罪][精神の極み]
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ま、マジで異世界でした。転生ですよ!しかも、魔物にです。人間じゃありません!……興奮のあまり、口調がおかしなことになってたな。
フッフッフ、来た来た来た、毎日のように妄想していた異世界に、来ることができたのだ!いやっほい!
異世界に来れるなんて、ほんと夢みたいだ。あのモンスターペアレントには感謝してもいいな。ありがとう!
さてさて、んじゃまず、ステータスの詳細でも調べるとしますか。
楽しみだなー、異世界での生活っ!
感想とか評価とかくれるとうれしいな