表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

04 過去と気付きと準備

私の家はとても貧乏だった。


パンも買えずに、毎日奴隷のように働いていた。

家は雨漏りしていて、壁は破れて隙間風が入ってきて、とても寒かった。

あの寒さは、今でもはっきりと覚えている。


私はどんなに辛くても大丈夫。

だけど弟とお母さんにはこんな辛い思いをして欲しくなかった。


私は懸命に働いた。夜も寝ずに。ただひたすら働いた。


月一の給料日。私はルンルンな気分でで家に帰った。


少しでも栄養をつけてもらおうと思って、卵を買って帰った。

一人一個で全部で3つ。


お父さんにも食べさせてあげたかった。

戦争で徴兵された父の遺体は帰ってこない。とても悲しい事だが、国のためならば仕方がない。


家に着くと不審な男達が数人いた。

そいつは母としゃべっていた。

ああ、見た事がある。奴隷売人だ。


私の姿を見ると、そいつらは私を拘束して、馬車に乗せた。

必死に抵抗して母に助けを求めたが、母はただ無表情で、助けてはくれなかった。

なんで?どうして?

一晩経って、私は母に売られたのだと理解した。


手に持っていた卵は潰れ、頭がひどく痛かった。


最初に着いたのはミンという村の奴隷市場だった。

ミンの村は、ウェルデイン王国の南部に位置する大きな村だ。

この村の特色と言ったら、奴隷市場だろう。

他の村より大規模な市場、過激な競り。

馬車の窓から見ただけでも、その異常さが見て取れた。


まずほどんどの市民が奴隷を連れている。

私の村ではありえない。

奴隷なんて裕福な貴族が持っているものだとばかり思っていた。


だがこの村では、誰もが奴隷を所持している。

おそらく、奴隷が集中するため、安いのだろう。

海が近いため、他の国から来る奴隷も多い。

また他国に売りやすい。


単価が安いためか、奴隷への扱いがひどい。

平気で水を被せ、暴力を振るう。

運んでいた荷物の一つを落とした事を咎められ、鞭を振るわれている。


この村は異常だ。

一刻も早く逃げ出したかった。


馬車から降ろされた。逃げようとするも、左右から男に腕を捕まれる。


市場に着くと、服を脱がされ、台の上にたたされた。

無数の荒んだ大人達。私は汚らしい視線の釘付けとなった。


競りはすぐに成立した。

たまたま遊びに来ていた地方の貴族が、私を気に入ったのだ。


そいつは毎晩私を犯した。最悪だった。

ぶよぶよに太ったそいつは、私を無理やり押し倒した。


奴隷の私は、なす術がなかった。


最初のうちは抵抗もした。だけど、その度に鞭で傷跡を付けられた。

私が買ったんだから抵抗するなと。

少しずつ私の中の何かが薄れていった。


そこでの生活はあまり記憶にない。


数日後。


なぜか、貴族の所持していた住居は魔王軍によって破壊された。

戦争の余波でたまたま攻撃されたのか、はたまた魔王が自分にとって害だと判断したのか。

それは分からない。

貴族のあの引きつった顔は、忘れられない。


住居が再建するまでは、私は他の施設に預けられる事になった。


だけど他の収容施設もほとんど破壊されていた。

もしかすると魔王が意図的に施設を破壊したのかもしれない。

あの冷酷な魔王の意図など、さっぱり分からないが。


唯一残っていたのは、ここの施設。

ここだけは、何故か破壊されなかった。







彼女の語りが終わると、部屋が静寂に包まれた。

作業台から滴る水滴の音が響きわたる。


「...だから君は、この施設に来たんだね」


少女は心なしか暗い顔をしていたが、すぐにいつもの笑顔に戻る。


「時期が来たら、私はまたあの貴族の元に戻ってしまう。だけど私は諦めない」


「なんでそんなに希望を抱けるんだい?またあの貴族の元へ戻ってしまうんだろう?」


「それはね、私には決意した夢があるから」


少し間をおいて、照れくさそうに頭をかく。


「私の夢はね、みんなが幸せな世界を作る事なんだ」


「みんなが幸せな世界...?」


「そう、そこは奴隷とかそういった身分はなくて、誰もが平等で幸せな世界」

「お母さんが私を売ったことも、すべては貧困からきたことなの。だからお母さんは悪くない」

「貧困を作り出す、この世界のシステムが悪いんだ」

「だから、私はそんな貧困を生み出さない幸せな世界を作る。絶対に諦めない」


それは母に捨てられ、奴隷にされ、身体を弄ばれた、彼女だからこその夢だろう。


ふと、俺は思った。

この世界は本当に正しいのだろうか?

今まで生きてきて、かすかに感じてきた違和感。

いや違和感というより、何故か罪悪感を感じる。


何故だろう。


ー貧困を作りだす、この世界のシステムが悪いんだー


この世界は、貧困の割合が多い。

それは二年前に起きたヴェルデイン王国とグルテン王国の戦争の影響が大きい。


戦争の結果だが、グルテン王国が勝利で幕を閉じた。

グルテン王国は魔王軍と手を組み、圧倒的な魔法軍事力を手に入れたらしい。


現在、魔王歴1年目。

今年が、魔王が政権を始めて握った年だ。

この先、世界はどのように変化していくのだろうか?


そんな疑問を、俺は脳内で停止させる。



...何故だろう。

今まで世界に対してこのような疑問は浮かばなかったはずだ。


いつからこのような、外の世界を意識する人間になったのだろうか。


「とても素晴らしい夢だね。応援するよ」

「うふふ、ありがとう!」


照れくさそうに微笑む。

その笑顔が、心地よい。


今まで生きてきて感じたことがない心の温かさを感じる。


ああ、分かった。

俺はこの子に惹かれてるんだ。


きっと好きなんだろう。


「俺もその夢を手伝わせてくれないかな?ここを出たら」


口が勝手に動いていた。


頭では考えていなかった言葉が、すらすらと口から出てくる。

どうしたのだろう。


「ほんと!?ハル君がいたら心強いよ!」


手を捕まれ、ブンブンと振られる。


少女の手は暖かく、心臓が飛び出そうになる。

体のあちこちから変な汗が吹き出る。


「あ、ああ、よろしく頼むよ」


ここを出たら...か。


そうなると色々考えなくてはいけないことがあるな。


彼女は時間が経てば、貴族に引き取られてしまう。

また、俺は脱獄しなければ、いつまでも牢獄の中だ。


「君は、いずれ貴族の元へ帰るんだろう?どうやって夢を叶えるつもりだい?」

「実はね、貴族に内緒でこっそりお金を貯めてるんだ、主人の懐から毎日少しずつね。主人の目を盗んでこっそり他の仕事もしてたんだ」


「なるほど。その金で逃げるのか。でも奴隷の身分がある限り、いずれ捕まるぞ?」


少女は首を振る。


「逃げたら、私のツテで奴隷から解放してもらう予定。もちろんお金はかかるけど、奴隷解放分のお金はもう用意してあるの。貴族の元に帰るのがいつになるか分からないけど、3年以内には抜け出すつもり」


なんとも用意周到だ。目標があり、行動もしっかりしている。

俺とは天と地の差だ。


「となると、問題は俺か」


俺は地上に行くこともできない。お金を貯めたり盗むこともできない。

セキュリティが非常に厳しいのだ。


だが、何とか抜け出さなくてはいけないな。


俺は少女と別れ、その晩は脱獄する計画を練った。






翌日。


「起きろ!貴様ら!本日は非常にお偉い方がお見えになっている!起きろ!」


なんだ...? お偉い方とは誰だろう。

重たい体を無理やり起こす。


「俺が牢獄指揮長のザンザスだ。今日は貴様らがちゃんと仕事をしているか視察に来た」


図太い声が広間に響く。


「指揮長がお忙しい中、参られたのだ!立てい!」


皆、しぶしぶ起き上がる。


「ん?なんだここには女もいるのか」


少し面倒くさそうな顔をする指揮長。


「はい、一時的ですが収容されております」

「ふん」


指揮長と紹介された男は、少女をまじまじと見たが、興味を失ったのか再び歩き出した。


「なんなんだあいつは...」


叩き起こされ、彼女に対して見下した事にイライラし、悪態を吐く。


「馬鹿、あいつはここの施設のトップだよ...」


後ろから近寄ってきた男が話しかけてくる。

誰だっけかこいつ。


「お前、誰?」

「おい!散々お前と絡んでただろ!」


少し考える。

それでも分からないので真剣に考える。


「ごめん、誰だっけ」


がっくしと大きなリアクションをとる男。反応がうざいな。


「俺だよ!ガインズだよ!」


ああ...俺の事をいじめてたやつか。

トイレ掃除とかさせられたっけ。


あまり興味はなかったし、記憶から完全に消えていた。

人間は、相手を自分より弱者だと悟ると、どうでもよくなるのかもしれない。


「すまんすまん、完全に忘れてた」


「あれだけいじめといて、それかよ...」


でかい黒人が落胆する。落ち込むなって。


「まあいい、俺が言いたい事はくれぐれも奴を怒らせるなって事だ」

「なんだ、やけにビビってるな。お前らしくもない。奴にもトイレ掃除お願いしろよ」

「勘弁してくれよ...俺が悪かったから...俺も反省したんだよ...」


もう勘弁してくれという顔だ。

本当に反省したのだろう。


「それで?そこまでビビる相手なのか?別にいつも通り働いてりゃいいだろう」

「そうもいかねえんだよ」


頭をぽりぽりと掻く。


「ザンザスはこの施設のトップで、気にくわない奴を見つけ次第殺すクソ野郎なんだ。視線が合っただけで殺された奴も多い..細心の注意を払ってくれよ」


集団で女の子をいじめる奴がクソだというのだ。

そのザンザスとかいう奴は、相当なクソ野郎なのだろう。


「ああ、分かったよ」


対して興味はなかったので、曖昧な返事をする。


「粗相をするなよ。俺らにまで火の粉が飛んだらたまったもんじゃねえ」


そう呟いて、黒人は去っていく。



なるほど。ここのトップが奴なのか。

となれば、奴に近づけばこの施設から抜け出せる突破口が見つかるかもしれない。


俺はここから抜け出す為、ザンザスの調査をする事を決めた。


また、周囲の奴隷に聞き込みをし、過去に脱獄を成功させた者がいるかを調べた。



数日間の聞き込みの結果、過去に脱獄に成功したものは二人。

一人目は通気口のダクトから地上に脱獄。

二人目は、設備点検の業者に紛れて脱出したらしい。


以来、通気口のダクトはネズミ程度しか通れない程、細いものに置き換えられてしまった。

通気口からは逃げ出せない。


また業者に紛れる方法も、もう使えない。

施設に入る際のチェックは大幅に強化された。

現在利用されている方法は、顔写真のチェックと血液を利用した魔力認証の二重チェックだ。


魔力を利用した認証は、非常にセキュリティレベルが高い。


まず魔力を、専用の台に埋め込まれている結晶に触れ、流し込む。

すると魔力情報が読み込まれる。そしてあらかじめ許可を得ている人間とマッチしているかを確認し、マッチしていれば門が解錠される。


許可は、トップであるザンザスしか設定できないらしい。


魔力の性質は個人それぞれ異なり、固有の情報である。

その為、偽る事はできない。


また、魔力は自分の意思でしか放出出来ない。他人が強制的に魔力を放出させる事は出来ない。


それでは、許可を得ている人物を脅し、魔力を無理やり流し込めばいいのではないか?と考えた。

だがそのあたりも念密に対策されていた。


門は一人ずつしか通れないようになっていたのだ。

また、本人しか通れなかった。


まず門は二重となっており、一つ目の門の前に結晶がある。その10m先に二つ目の門がある。

一つ目の門の前の結晶で認証を行い、二つの門を解錠する。そして一つ目の門をくぐる。

その際に、通路に埋め込まれているセンサーによって、魔力が検知される。

そこで二人通行したり、認証した魔力と異なる場合、前後二つの門は施錠されてしまう。

二つの門は閉まり、通路に閉じ込められる。


魔力認証システムは非常に高度なシステムである為、細工も難しい。

打つ手なしだ。


俺は作業部屋で頭を抱えていた。


「うーん...それは難しいね...」


俺はなかなか突破口は見つけられず、少女に相談していた。


「ハルくんの能力ってさ、色んな能力を武器に付与する事だよね?」


「うん、そうだよ」


「じゃあさ、センサーをごまかす能力を付与する事って出来ないのかな?」


なるほど。それは考えてなかった。

せっかく持って生まれた能力だ、活用しなければ。


この能力を自分の為に使う事など、今まで考えた事がなかった為、そういった発想に至らなかった。

センサーをごまかす程度、出来るかもしれない。


「出来るかも...今月中に検証しよう」


相談は非常に重要だ。

自分で考えられる範囲など、微々たるものだ。


人間はそれぞれ異なる価値観を持つ。

それは今まで生まれて学習し構成してきた個人特有なものだ。


相談する事によって、違う価値観から考えると、突破口は容易に見つかる場合もある。

今日はその事を痛感した日だった。


そして試す事、一ヶ月。

紆余曲折を経て他人の魔力を98%の精度でコピーし、魔力センサーをごまかすナイフを作成できた。

これは今までで一番高度なアイテムだ。

今までのように、ただ能力を付与するだけでは作れなかった。


まずトライ&エラーを繰り返し、俺の付与できる能力が判明した。

それは大きく分けて2つだ。


一つ目が、基礎攻撃魔術の付与だ。

基本魔術は5つの系統に分かれる。それは火・水・風・闇・光だ。

例えば、当たると光る矢。切ると燃える剣などだ。


二つ目が、基礎防御魔術の付与だ。

風の魔術を利用した窒息から身を守る剣、水の魔術を利用した火を防ぐ金槌などを作れる。



今回の魔力ごまかしナイフは、従来のように一つの武器で完結していない。

ナイフA・B・Cの3つの武器を組み合わせたものだ。


まず、ナイフAに付与した基礎攻撃魔術-闇魔術-吸収-で、持ってる対象の魔力を吸収する。

これは、持っているかぎり対象の魔力を少しずつ奪い続ける。


次に、ナイフBに付与した基礎攻撃魔術-水魔術-流水-で、遠く離れたナイフAとナイフCを繋ぐ。

ナイフBは、発動するとロープのように長くなる。

ナイフACをどんなに遠く離しても、繋げ続ける。

繋がれると、魔力が水が伝うように移動する。

つまりナイフAの魔力は、ナイフCに移動するのだ。


最後に、ナイフCに付与した基礎防御魔術-光魔術-光壁-で、所持者に光属性の防御耐性を付ける。

これによって所持者は、ナイフCの魔力で包まれる事となる。

その魔力は元々ナイフAの魔力であり、奪った魔力である。


つまり、奪いたい相手にナイフAを持たせ、俺はナイフCを持っていれば、奪った他人の魔力で身を包み、魔力センサーをごまかせるのだ。


流れとしては、こんな感じだ。

(奪いたい相手)→(ナイフA 吸収)→(ナイフB 流水)→(ナイフC 光壁)→(俺)




完成した事を伝えると、彼女は飛び跳ねて喜んだ。


「凄いじゃん!さすがハル君だよ!」


「君のおかげだよ、俺一人じゃあ何も思いつかなかった」


おそらくそうだろう。

開発が上手くいかない時は、いつも彼女が励ましてくれた。


「そんな事無いよ!ハル君が頑張ったからだよ!」


それでも俺を褒めてくれる彼女。

胸が熱くなった。



センサーをごまかす方法が見つかったため、脱出計画を改めて練り直す。


「まず、ナイフ3本を適当なところに隠す。そして来月に訪れる設備点検の業者を攫い、魔力を門の前の結晶に流し込ませる」


ふむふむと少女が頷く。


「門が開いたら、ナイフAを業者に持たせて、1つ目の門の前で待機させる。俺はナイフCを使いセンサーをごまかし、一人で二つの門を通り抜ける。二つの門の間にあるセンサーは、業者と俺の魔力の違いを見抜ける事は出来ず、反応はしない...という流れだけど何か問題ある?」


「うーん問題なのは、どうやって監視員に見つからずに行動するかだよねえ」

「それは...」


そうだった。

センサーをごまかす事しか考えていなかった。

自分の考えの浅はかさが嫌になる。


俺は自由に行動が出来ない。

そもそも誰にも見つからずに業者を攫い、出口まで行く事は非常に困難だろう。


業者を人質にするか...?

いや、ザンザスは人質など気にせず殺しにかかるだろう。

うーん。


そもそも業務中に抜け出したら、怪しすぎるしなあ...


俺が悶々としていると、少女は手をポンと叩いた。

何かひらめいたようだ。


「ハル君、いい方法があるよ」

「お、何々?」


彼女はにんまりとして答える。


「監視者の意識を、別の方向に向ければいいんだよ」

「...というと?」


うーむ。

別の方向とはどういった事だろう?


「例えば、火災を起こしたり、暴動を起こしたりとか」

「...なるほど」


本当に彼女は頭が回る。


「ハル君があらかじめ何か仕込んでおいて、火災を発生させる。そして監視員が気を取られている隙にハル君は脱出する...どう?」


ドヤ顔でこちらを見てくる。

どうだ、凄いだろうと言いたげな顔だ。


「君には本当に頭があがらないよ」

「じゃあそこんとこ、準備しておいてね」

「ああ」


脱出する。

今までこんなに強く願った事はなかった。


少女が変えてくれたのだ。

俺はここから脱出し、彼女の夢を手伝う。

全てを捧げる覚悟でだ。



この時、すべては順調だと思っていた。


この先、何が起こるかなど露知らずに。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ