死後の世界でのあれこれ4
……おい。
「ねえ、や、やばいよ〜。ここ。どうする?ここに隠れててもすぐ見つかるかも!」
……まあ、落ち着こうか。
「よし。と、とりあえず…とりあえず深呼吸だ。焦ってる時は深呼吸すれば、少しは落ち着くって、ばっちゃが言ってた。」
「あんたのおばあちゃん、あんたが生まれる前に死んでるでしょうが‼︎」
「まあいいから、ほらいくぞ〜」
スゥーーーーーーーーハァーーーーーーーー
スゥーーーーーーーーハァーーーーーーーー
「は〜い、だんだん落ち着いてきただろ?
じゃあ状況を整理しよう。」
俺たちはあの壁からかっこよく出てきた。それで出てふと右向いたら
死神が大量にいた…と。
それから逃げまくってた。しかも罠も死神のタイプもワンパターンで
風景もワンパターンっと。
……ふむ、クソゲえええええ!
なんだこれ、もっと面白くできなかったの?期待させやがって‼︎コンチクショウ。
やっぱあれだなー、
ゲームより面白いことなんてそうそう起こらないもんなんだよな〜。
もういいかな……うん飽きた!飽きたな。
そろそろクリアしようかな。
あ、でもその前に
「おい、友美よ。天国行きたい?」
「…?そんなの、行きたいに決まってるじゃない。」
「じゃあ天国行こうか。」
…っふ。決まった。今の台詞かっこよくね?
「あ、私知ってる!そういうの失敗フラグって言うんでしょ?」
「ちっげえよ!確かに失敗フラグっぽかったけど。まあ、訊けよ。」
このときにはすでに天国門は残り2個、地獄門30個、ランダム門2個だった。
「最初のルール、なんか違和感
感じなかった?」
「……?」
「最初のルールをよくよく思い出してみろ」
そう、あのとき天国門43、地獄門32、
ランダム門13。
「全部足したら88個だ。あと2個なんかあると思わない?」
「……おお〜〜確かに。…で?」
「うん?いやまあそれは
どうでもいいけど。」
「殴るぞまじで。」
「まあまあ、落ち着けよ。天国門みつけんのは簡単だよ。でもこの二つあるかもしれないやつを俺は探したいんだ。だからおまえに聞いた。俺とくる?
それともさよなら、する?」
「…ちなみに天国門ってどこ?」
「よく考えろよ。天国門だぞ?上に決まってるだろ。この迷路よーく見ると壁に擬態した梯子があるんだ。ほらおまえの後ろにも。」
友美の後ろには確かによーく見ると梯子がある。
「これ登るのが正解。逆に罠のところに見え見えの落とし穴あったじゃん?あれ落ちたら地獄門じゃないかなぁって思うんだ。
………はい!俺賢い〜。
じゃあここまでを踏まえた上で聞こう!
俺と一緒に来る?それとも天国行く?」
「……う〜〜ん。うん、決めた。
私ついていくわ!
なんかそっちの方が面白そうだし。」
…ふむ、友美もなかなか
毒されてきてるなぁ〜俺に。
まあ、仕方ないか。誰しも面白そうなことには抗えないし。
「ん!なかなかわかってきたな。そうさ!
楽しければいいんだよ。俺が尊敬する麦わら海賊団船長もそんな感じだしね〜。それでは行こうか。」
そうして俺と友美は幻の門を探すために動いた。