幼稚園でのあれこれ7
カラッと晴れた日曜日、何かとてつもなく
面倒くさそうなことになる予感がしたけど、
俺は近くの公園に行くことにした。
「お母さん‼︎ちょっと散歩してくる。」
「不審者とかに気をつけるのよ〜。」
うちの家は、こういうところの自由度は高い
のがいいところだと思う。
公園に着いた。
……あれ?そういえば、何時に待ち合わせ
するのかとか決めてないよな…。
う〜ん、しょうがない。まだあの女の人は
きてないみたいだし、とりあえずお昼まで
このベンチに座って
……座って何しとこうか。
あ、あの謎の光を
操る練習でもしとこうかな。
多分この光は意識して手に力をこめると……
うん、出てきた。じゃあ今度はこれを
飛ばしてみよう。うん。
「カメ○メ波‼︎」
お、おお〜。と、飛んだ!飛んだよ‼︎
やべえ。めっちゃ感動的だ。
今俺は幼児だから、こういうことしても
周りからは、「あ、あの子かわいい!」で
終わるはず。ちょっとこのまま、もっと
かっこよくなるように練習でもしようっと。
ああ、でもやっぱりこういう時友美とか
いたらもっと面白かったのになぁ。
久しぶりに会ってみたいなぁ。
「ああああああああ‼︎もう嫌だ!」
私は自分の部屋で布団にくるまって叫んだ。
「お稽古とか勉強とか超うっとうしい‼︎」
この二、三年私は親の指示に従うしかなかった。
ただ、もう無理だ限界だ。
今から、親に反抗ガチ勢で行くことにする。
この数年の恨みを晴らしてやる‼︎
「……まあ、友美のことだし、異世界とかで
なんか活躍して逆ハーレム作ってイエイ‼︎
っとかしてるんだろうなぁ。」
謎の光ーー光と呼ぶことにしたーーを
操るのにも飽きてぼぅっとしていたらようやく、女の人が来た。
もうすぐお昼なんですけど。
「あら、早かったのね。」
なんかフランクに
話しかけてきたんですけど、怖っ!
「そっちが遅いだけでしょう。もうすぐ
お昼ですよ?」
「ああ、そうね。じゃあ近くの
ファミレスに行きましょう。」
女はそう言って、歩き去っていった……。
「いや、行きませんけど?」
俺はそう言って家に帰ることにした。
今日の昼ご飯はなにかな?シャケかな?
「どこ行くの?」
俺が歩き出そうとした瞬間、いつの間にか
女の人が戻ってきていた。
「いや、家でお母さんが昼ご飯作って
待ってるんで。」
女の人はピクッとこめかみを動かしていた。
そして言外に空気読めやと言ってる気がする
……僕、子供だから空気なんか読めな〜い。
「そ、そう。ならこうしましょう。
昼ご飯食べ終わって、午後2時ごろここで
会いましょう?」
っチ、諦めてくれないのか。どうせ内容は
わかってるんだけどなぁ。めんどくさい
内容だってことわね。
……どうしよっかなぁ