幼稚園でのあれこれ4
「あはははは!これで終わりよ!死ねぇ‼︎」
下っ端天使サラスから打たれた、およそ
上級魔法使い1000人分の威力の火球は
しかし僕の手すら焦がさずに防がれた。
……てかもうすぐ小学生に上がるくらいの年齢の奴に死ねはないだろう……。
「そ、そんな馬鹿な‼︎私の魔法を防ぐなんて……あなた本当に人間なの⁉︎」
………ああ、なんでこんな奴に絡まれてるんだっけ?俺は一か月前のことを思い出した。
……とか、回想に入ってみる〜。
「なぁ、ケイちゃん。」
幼稚園の昼休み、俺が最近の日課にしている1人で親にばれずにいかにゲームを長く
するかを考えているとソウちゃんがやってきた。
「ん?なぁに?」
「お前、最近ずっとそうやって考え込んでるけどなんかあったのか?」
……よく見てんなぁ。ってか今の台詞どっかで聞いたことある台詞だな。さすが主人公。
「いや、べつにー」
俺はなんでもないよと続けようとしたが、
ソウちゃんが言葉を被せてきた。
「お、お前好きな奴……いるのか?」
さ……最近の幼稚園生やべえ!
俺、てっきりそういうのって小学生くらい
から言われるかと思ってたわ。
ここは面白そうだから、話に乗っておくことにした。
「まぁ、……気になってるのはね〜。」
……嘘は言ってない‼︎
「ま、まさかヒナじゃないよな?」
ヒナとは本名霧奈雛といい、名前の通り
おしとやかな美幼女だ。
まぁ、守備範囲外ですけどね〜。
……本当だよ?
「あはははは!お前が好きな奴を取るわけねぇじゃん。」
「べ、べつにそういうわけじゃ…ないぞ?」
わかりやすい奴だ。うん、わかりやすいことはいいことだ。
「まぁそういうことにしといてやるよ。」
「はぁ……まぁいいや。そういえば最近
あんまり一緒に遊んでなかったから今から遊ぼうぜ‼︎」
うーーん……まぁ、いいか。
「いいぜ‼︎何する?」
「ケイドロ」
「またかよー。メンバーは?」
……俺はそれから放課後までずっと遊んだ。
放課後、もうすぐ4時になろうかというところでやっとお母さんがやってきた。
……ふむ、そういえば俺生まれてから
まったく人の描写っていうの
したことないな。ちょっとやってみよう。
「ケイちゃん、帰りましょう!」
その声で俺が振り向くと、そこにいたのは
まごうことなき美女だった。透き通って
ツルッツルな肌、魅力的なえくぼ。
その姿はまるでーうん、これ以上はやめとこうか。自分の母親でするのがそもそも間違ってるきがする。
「ケイちゃん?どうしたの?」
「な、なんでもないよ?」
そういえばお父さんは俺が前世持ってることを信じてくれなかったけど、お母さんは
どうなんだろう?
俺がそんなことを考えていると、また手が
光った。
なんなんだろうね、これ。
周りの人には見えないみたいだし。
いや、検討はつくよ?
あえてスルーするけど。
家に着いた。今日はなんだか、
胸騒ぎがするぜ‼︎………はい。
はあなんだか疲れた。ゲームやって寝よう。
明日はなるだけ早く起きてこそっと
ゲームするために今日は早く寝よう。
……親が起きてこないかだって?
大丈夫!親が起きてくる時間は大体朝の
5時50分くらいだ。4時半に起きれば、
安全マージンとっても1時間はできる。
ああ、いつか丸一日連続ゲームとかしたいなぁ。……まあ、気長に待とうかな。