幼稚園でのあれこれ3
………いや、わかってたよ?わかってたとも。
さすがに運命的に会うとかないですよねー。
あれだけフラグあります‼︎っぽくしゃべっても無理だったかー。おい!フラグさん仕事しろ!って言いたいところだけど、まさか幼稚園行かずに家庭教師つけるとか…予想してませんでしたわ〜。あーだるい。
もうあいつに会うのは諦めて、いかにこの
親の呪縛から逃れるか考えなくちゃ。
…っていっても小学生に上がるまで無理だけど。あーしんどいなぁ。
俺は父と約束した次の日曜日にゲーム屋さんにやってきた。ああ〜ゲームだ。俺がこの日をどれだけ待ち望んできたか。両親にはわからないだろう。ちなみに買うものは決まっている。まず、今年は小型ゲーム機だ。
最初からテレビゲームをやると、嬉しすぎて死ぬ可能性すらあるからね、仕方ないね。
それに小型ゲーム機の方が隠れてやりやすい。
「もう決まったのか?」
「俺は前世の時から決めてるんだよ。
もちろん!このPNPを買うって決めてたんだ。」
「またお前は前世とか言って…お前将来
後悔するぞ?」
「……信じてくれないならもういいよ。」
俺はついにゲームを手に入れた!
おお〜いいね。なんか、異世界で成り上がるのと同じくらい充実してる気がする。
店から出た瞬間、俺は背筋がひやっとするほどの気配を感じた。
……とか妄想しちゃうくらいハイテンション
だね。あれ?今なんか始まるとか思っちゃった?残念でした!
…ふぅ、テンション高すぎて何言ってるのかわかんないぜ。
俺はハイテンションのまま、家に帰って即座にゲームをした。初めてだからって親に
土下座をして2時間やらしてもらうことにした。そしてその日は十数年ぶりにできた
ゲームの感触を感じながら寝床についた。
次の日、朝起きたら手が光っていた。
……何を言ってるのか分からねぇと思うが、俺も何が起こってるのかわからない。
と、その時部屋のドアが開いた。
「啓介?もう起きなさい。」
やばい、見られたか?いや、完全に見られたな。
「何してるの?もう、ご飯出来てるからさっさと降りてきなさい。」
そう言って母は、まるで何も無かったかのように出て行った。
「どういうことだ?」
完全に見られてたはずなのに何も言われなかった。うーん……ま、考えても仕方ないか。
そんなことよりいつゲームするか、考えねば。
俺は手を光らせたまま、平然とリビングに行った。……うん、やっぱり何も言われない。
俺は朝ごはんを食べながらお母さんに聞いてみた。
「ねぇ、お母さん。僕の手、なんか違和感感じない?」
「……ああ、息子がだんだん厨二病になっていく……。」
な、なんか変な勘違いされた。けど、この反応からして、この光はお母さんからは見えないみたいだ。
いやー…それにしても、やな予感しか感じない。