幼稚園でのあれこれ2
「啓介。」
「はい。」
「勉強しなさい。」
「嫌です。」
俺が嫌だと言った瞬間、リビングに緊張感が漂ってきた。
あーめんどい…もうちゃっちゃと終わらせようか。
じゃないとお父さんのこめかみが爆発しそうだ。
「…一応理由を聞こう。」
「…今から言うことは、本当のことです。信じてください。」
「話の内容による。」
ですよねー。
「実は僕は、前世の記憶があります。証拠的なものも見せようと思えば見せれます。」
「……啓介。言い訳ならもっとちゃんとした言い訳にしなさい。」
まあ、信じてくれるわけないですよねー。
まぁ俺には秘策があるけどね。
「待ってよ。証拠みせるから。」
そう言って俺はいそいそと白紙の紙とあらかじめ家のネットで調べてきた大学入試の数学の問題を持ってきた。
「なんの真似だ?」
「お父さん。僕は前世では高校生と大学生の間で死にました。つまり!もし僕がこの問題を解けたら証拠になると思いませんか?
それ以前にこの問題が解けるなら勉強する
意味がないと思う。」
「ほう、面白い。じゃあといてみろ。
それが解けたら、勉強はあまり強制しないでおいてやろう。」
まあ、解けるに決まってるんですけどね。
ほら、話の流れ的に。っていうかそうじゃないと筆者が困るだろう。
んん?筆者?俺は何を言ってるんだ?
…ふぅ、落ち着け。
……少しの時間のあと俺は問題なく解けた。
「なん……だと⁉︎」
「これで文句ないよね?お父さん。」
「ま、まだだ!確かに俺は勉強を強制しないとは、言ったがゲームを何時間でもしていいとは言ってない!」
「……お父さん。なんでそんなに俺にゲームをさせたがらないの?」
「いいか?啓介。ゲームはな、中毒性があるんだよ。目にも悪いし、それに熱中しすぎるとお前はコミュ障のひきこもりになってしまう。俺はお前にひきこもりだけにはなって欲しくないんだよ。……だが、確かに約束は
約束だ。毎日一時間だけやらしてやろう。
この約束守れるな?」
「お父さん。…そこまで僕の身を案じてくれてたんだね。ああ、でもそれでも一時間…
だけですか。くそ、まぁそれでもできるだけマシかな。」
約束を守るとは言ってない。
わかったとも言ってないからセーフ‼︎
「わかってくれたか。じゃあいい。
今日はもう遅いから寝なさい。」
ふと時計を見ると、もう夜の十時を過ぎていた。話し始めたのが8時頃だからもう2時間も言い争ってたんだなぁ。
いや、でもこれからが本番だ。いかに親に見つからないように、ゲーム時間を延ばすか。ベッドに入って作戦を練らねば‼︎