デモンストレーション①
「店長、お疲れ様でしたー。」
「うん、渡くんもおつかれさま。」
スマホの画面を見ると時刻は24時を回って日付が変わっていた。
「今日も一日お疲れ自分。」
掛け持ちしているバイトをハシゴしたせいかいつも以上に疲れを感じて爆睡することを確信して帰路に着いた。
「ただいまー。」
独り言をワンルームに響かせて風呂と夜食を済ませる。
布団に入るとすぐに意識が遠のいて、、、、、、、白い空間に立っていた。
ついさっきまでの眠気は一気に失せてしまった。
「なんだここ?」
見渡す限り白しかなく遠近感も測れないからどれほどの広さかも把握できない。
(夢にしてはだいぶ奇抜な系統だな)
「はじめまして、渡 助希。」
背後から機械音声のような無機質な声に呼ばれ振り返ると、地球儀サイズの青い球体が浮かんでいた。
「は、はじめまして。」
「先に申告しますが、これは夢ではありません。あなたの意識に干渉させて頂いています。」
「意識に干渉って、一体何者なんだ?」
「簡単に言うと、地球のシステムの一部です。」
「地球のシステム?」
「はい。現在ある問題が発生し、それを解決するために私はあなたを選出し干渉しました。」
「問題ってなんなんだ?俺にできることなんてそんなにないぞ?ただのフリーターだし。」
「回答。問題というのは異世界の危機が影響し、この世界に深刻なダメージを与えてしまう事象が発生しています。
天候や社会情勢、自然災害、他にも細々とした問題を加速させています。
そして解決に必要なのは異世界に赴き、危機を解決すること。
解決するには異世界の環境に柔軟に対応できる理解のある人材でした。」
「その役に俺が選ばれた、と。だいぶスケールデカくて実感が湧かない問題だな。」
「ですが事実です。求められる役も達成すべき目標は異世界によって異なりますが、あなたなら達成できるでしょ う。」
「でもそれを俺が引き受けるとは限らないだろ?」
「あなたなら引き受けます。それがあなたを選んだ理由の一つですから。」
(そこまで見抜かれているなら取り繕っても仕方ないか。)
「一つ聞きたい。」
「なんでしょう?。」
「その役を引き受けるのは面白いか?」
「あなた次第でしょう。」
(どうせ愉快な夢だし難しく考えなくても良いか。)
「わかった。引き受ける。」
「では早速、現地に行って解決していただきましょう。百聞は一見に如かずです。」
「は???」
青い球体が徐々に大きくなって完全に飲み込まれたと思った瞬間には、森の中に立っていた。




