表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/64

〈9〉

 「ギターが上達すると自分に才能も情熱もないことがわかるんだ。あ、逆か才能も情熱もないことがわかることが上達してることなんだ。まあどっちでもいいか」

 金井君は何かを発見したような感じでうれしそうにこういうことをよく言う。

 こういう明るいんだか暗いんだかよくわからない感じが美樹のツボに入っているらしく。初めは私を通じて3人でしか話さなかったが、金井君と美樹はよく2人でも話していることが多くなった。

傍目には2人は「いい感じ」に見えたが不思議と元取り巻きたちの嫉妬は買っていないようだった。一見美樹を独占しているように見える金井君だが彼の低スペック度合いが安全弁になっているらしい。

 金井君は金井君で美樹のことをこれっぽちも意識しておらず、おそらく金井くんには美樹は2次元の存在に見えていて美樹には金井君がただの男子ではなくただの人間…ですらなく金井翔太という1つの生命体のように認識されていてこの2人の関係は種族を超えた何がしかなのだろう。

 こういう雰囲気をクラス全体が察していて美樹という女王が金井翔太というペットを愛でているだけの放課後の光景がよくあった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ