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〈63〉

 教室へ着くといつもの光景があり、いつものクラスメイトがいて、私は自分の席に座り、いつものように授業を受けた。

 ようやくそこで多少冷静さが戻ってきて、むしろ授業中は頭の中を整理することに時間を使うことができてそれと同時に、吐き気と言うほどでもないくらいに小さくなった胃のむかつきがむしろ私を安堵させた。

 しかし森本君に返事か、もう一度彼と対峙せねばならないのか。などと考えていると、クソッ、クソッ、と不思議な怒りがこみ上げてくる。我ながらなかなかの情緒不安定さだ。そのような感情の一方で思考は少し覚めていった。

 以前金井君が言っていた、彼は背も高くて、シュッとしてて、運動もできて、成績もよくてって話を思い出す。確かにそうなのである。彼にはいいところがいっぱいある。ものすごくモテるのもよくわかる。ただ私にはその彼のいいところがどうしても好きという感情に結びつかないのだ。彼とは釣り合わないと思ってるなのか?遠慮があるのか?やっぱりわからない。わからないのだ。わからないということだけわかる分だいぶ気持ちがマシなってくる。

 そうやっぱりわからないのだ。そしてそこまでわかれば十分な気がした。

 

 昼休みになった。私と舞香と絵美里でお弁当。舞香と絵美里はいつもと同じように振る舞ってくれる。

 私も何事もないように普通に弁当を食べ、普通にお茶を飲み、そして立ち上がって森本君の教室に向かった。

 

 

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