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〈56〉

 というのも、先日私と美樹が話しているところに、美樹の取り巻き女子Aがやってきた。私と美樹が2人でいる時に彼女が来ることなど今まで一回もなかったことで、これが何を意味しているのか明白である。

 どうやら彼女は私たちのグループの方に移籍したいらしい。もう2月後半であとひと月ちょっとでクラス替えだって言うのにである。

 もちろん私はものすごく柔和に表面上楽しそうに話し、非常に円満に円滑にしたつもりであった。

 おそらく彼女は私、舞香、絵美里、金井君あたりでは何も気にしていなかったであろうが、そこに森本君と鈴音が加わってさらに美樹までいるので、こちらのグループの方が「高い」と見たらしい。美樹と友達であると思っているならば別に移籍などする必要がないので、彼女がいかに集団の方に価値を置いているのかがよくわかる。そしてそういう人間を私は一番軽蔑しているのだ。

 おそらく美樹は私の内面の侮蔑の色を見て取ったのであろう。美樹に直接聞いてないし聞けるわけないが、私は美樹から見て非常に分かりやすい人間なのかもしれない。

 美樹がこちらにいるより女子Aがこちらにいない方が私にとって良いことだと踏んだ美樹は、私たちよりも取り巻きたちとの時間を多く過ごすことで、女子Aがこちらに移籍しないようにしようとしているようだ。

 しかし自分の心の狭さにも腹が立つし、美樹にうまく内面を隠せない自分にも腹が立つし、どうすればよかったのかいまだにわからんなあと思いながら私はカードを捨てた。

 というわけで当分美樹はこっちには来ないだろうなあと思っていると、ぶわっと突風が吹き、みんなで一斉にタッパーの上を両手でふさいで、カードが飛び散らないようにした。

 「もう中止!だ。中止!中止!やっぱ屋上でトランプなどできるわけない」

 と私は言って、屋上トランプは2回で終わった。

 

 

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