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〈51〉

 なぜ味噌汁を絵美里は昼食に摂取するかというと、絵美里は極端な小食であるからで、一日の食事を昼休みの弁当だけで済ませているらしい。

 それもそのはずで絵美里はスレンダーを通り越した細さで、スラッではなくゲッソリの方が形容するに近く、肌の色も色白というよりは、血液が白か青でなくてはつじつまが合わぬほどの蒼白である。体重は怖くて聞けないがおそらく30キロ台であるだろう。

 しかし本人に言わせれば全く体調に問題はなく、部活の吹奏楽部ではホルンを担当していて、であるならばそれなりの肺活量が必要なはずなのだが、どこにそんな力があるのか人間とはわからないものである。

 絵美里の弁当には肉、野菜、豆類、果物などがぎっしり詰まっていて、この一食で一日に必要な栄養素を補ってほしいという両親の愛情の一端がうかがえる。

 その考え抜かれたおかずコーナーに面積のほとんどを占領された分、エネルギー源となる白米の領地はほとんどなく、それならば2段弁当にしておかずと白米を分ければいいのにと思ったのだが、おそらくそれならそれで、絵美里は白米のほとんどを残して返したのであろう。そう言った無言のやりとりがあった末、今のスタイルに落ち付き、そして味噌汁は野菜や果物からでは取れない、海藻などのミネラル分をとるためにどうしても必要だと推測され、おそらくまず絵美里の昼食のために味噌汁が作られ、その余りを家族が夕食で摂取するという形態なのではないかと思われるのである。

 などと私は勝手に他人の家庭のドラマを想像して、自分のおかずを食べるのであった。

 

 

 

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