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〈5〉

 美樹がいる。

 昼休み私と舞香と絵美里、と美樹…さも以前から一緒に昼食をとっていたかのように美樹もとっている。取り巻きたちが寄り付かなくなってからしばらく美樹は自分の席で1人昼食をとっていたのに今日突然ここに来た。もちろん私たちは「何でここにいるの?」や「どうしたの?」など言えるはずもなくただ妙な緊張感だけがここを支配していた。これがスクールカースト。これがヒエラルキー。恐るべし加藤美樹。美樹1人で平均美を強引に押し上げられたせいで快適空間を侵された舞香と絵美里はものすごいスピードで弁当を食べている。おそらく味などしていないだろう。さてはこいつらありもしない昼練にでも行くつもりだなと思ったら、本当に昼練に行くと言い出し教室を出て行ってしまった。そこへ森本君がやってきた。

「鍋島~、ノートありがとぅ~」

 と変な発音でお礼を言う。

「あいよ」

 と私はノートを受け取る。

「お、加藤じゃんエレメントガールの最終審査頑張れよ!」

「うん!がんばる」

 美樹は両腕を曲げ、脇を閉めてかわいいガッツポーズを作る。そして

「森本君も文化祭の試合頑張ってね!」

「ははは、あれはただのエキシビジョンマッチだよ」

 と言って教室を出て行った。やっぱり森本君はその辺の取り巻きとは格が違う。美樹がアイドルになりそうになったからって委縮するような人ではない。美樹と対等に渡り合える男子は森本君くらいなもんだ。



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