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〈48〉

 「姐さんの中でまだ音楽は生きてますか?」と金井君に聞かれた。

 なぜ金井君はそのことを知っているのか?という疑問が頭に浮かんだことで私の中で音楽が死んでいるということが分かった。

 そういえば金井君とパンクを聴く約束をしたんだっけと思い出し、その約束は果たせそうにないので金井君ごめんと心の中で謝った。たった数分の曲を聴くのがなんでそんなに重荷なのか自分でも分からない。金井君に勧められたからだろうか?美樹ならどうだろう?森本君なら?また、金井君の求めていることを言わなくちゃいけないからだろうか?意外とハマっちゃって何かが変わるのが怖いからだろうか?などと考えていると、金井君は

 「いいんです。いいんです」と優しく微笑み、泣きながらギターを弾いた。

 あら、意外とうまいじゃないと私は思い、金井君の涙の理由は全く気にならなかったが、一応何で泣いてるのか聞いてあげたほうがいいのかな?と思ったところで目が覚めた。

 金井君て不思議な人だなと思ったけど、それは夢の中の金井君であるとわかっているのに、不思議な感覚だけはしばらく残っていた。

 そもそも私はほとんど音楽を聴かず、私にとっての音楽は文学であって、特に比喩が好きである。

 登場人物の取るに足らない行動でも、うまい描写や比喩によって、頭に鮮明にイメージが浮かんだ時、私はいい曲を聴いたなと思うのである。

 相変わらず、作品自体のメタファーやテーマなどはわかりようもなく、なぜ溝口が金閣寺を焼いたのか未だにわからない。というか、おそらく溝口本人もわからないのではないだろうか。

 私はカーテンを開け、よく晴れているのを確認して、今日は休日なので、E駅の屋上で読書でもしようかと思った。

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