〈36〉
1月の終わりに高校バスケの区民大会という小さな大会がある。区にあるわずか8校の大会だがわが藤崎高校女子バスケ部は決勝に進んだ。鈴音は5番でポイントガードである。
私の提案で鈴音には内緒でみんなで応援に行かないかと言ったら、みんな来た。
このくらいの青春は許されるだろうと別に誰に気を遣うわけでもないのだが、高校生の間だけ、例えそれが友情ごっこだとしても友情ごっこでいいじゃないかと、また誰かに言われた気がしてみんなに連絡したらみんな来たのである。
美樹なんて普段日曜日はテレビ収録があるのに「学校の行事」(全然違うのだが)を盾にすれば大抵の仕事は休めると言って休んでまで来た。「本当に大丈夫なのか?」と聞いたが、「任せろ」と言われさすがにそれ以上は言えなかった。ありがたいが。
現地集合で会場校の前で待ち合わせて、私、森本君、金井君、美樹、舞香、絵美里と6人で体育館まで行く。こんな遠足みたいな気分は久しぶりなので、私の中ではもう十分満足なのだが、他の子もみんな同じらしく何か空気がキャッキャしている。
ああこれが青春なのかなと、こういうのでよかったのかなと、自分の中の何かが解けていく気がしたのだった。




