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〈28〉

 気づいたら、新城川を走っていた。

 私は何を青春しているのだろう。高校入学の時にはそういったものとは関わらないようにするのが秘かなテーマだったような気がする。青春からいかに遠ざかるかがテーマだったような気がするし、自分が一番遠いところにるのが秘かな誇りであったはずだ。

 それなのに自分からそのバランスを崩して私は何をやっているのだ?周りに迷惑をかけてはいけないのだ。 

 例えば美樹にとって私たちあるいは高校生活それ自体が「たくさんの友達と過ごした楽しい学校生活」という小学生が卒業式に言わされる言葉程度のものでしかなく、アイドルにとっては必ず詮索される過去に傷があってはならない。美樹は美樹で無難に高校を過ごすのが至上命題である。

 もし仮に私が卒業後に美樹に電話などをすれば「あ、久しぶり。なんか用?」などと用がなくては電話をしてはいけないことを明示され、しっかりと溝をつくられればあとはそれをだんだん押し広げていくだろう。

 もちろんどこかで偶然会えばさもずっと会いたかったかのようなそぶりを見せて大げさに騒ぎ、感動の再開風を装うはずである。そして軽く近況などを話してもそれ以上は踏み込まずその後は笑顔ですれ違うのが同窓生の礼儀というものである。

 でもそれでいいのである。そういうものである。自分の家のお隣さんと会えば挨拶と天気の話などをするがそれにはお互いの生活に迷惑をかけないことの宣言と感謝などがそこに含まれているのである。

 つまり美樹との仲とはその程度のものである。そしてそれでいいのである。

 「はぁっ!」というため息とも気合いとも言えないものを吐き出して私は止まった。とにかくお茶が飲みたい。

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