表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/64

〈26〉

 舞香と絵美里の部活の休みが重なるときが2週間に1回あるので、その時は放課後3人でなんとなく過ごすことがある。

 教室のいつもの場所で机の向きを変えコの字を作る。絵美里は日本刀と西洋刀が斜めに交差している表紙の「ドラゴンキラーと他世界解釈」なる題名の本を読んでいる。絵美里の向かいに座った舞香は絵美里から見て真横に体を向け、後ろの黒板に向かってうつむき、通信機器でネット将棋を指している。そこからおっさんの声で「いびしゃあなぐま!」と発せられてどうやら何かの構えが完成したらしい。

 たった3席の議長席に座っている私は教室の後ろの黒板を眺め、司令官のように手を組んで両肘を机に付き座っている。

 それぞれ思い思いの時間を過ごしながらも同じ空間にいる私たち。4月に出会った頃はお互いの趣味をさらすことなく表面的な会話をしていたような気がする。初めのころは隠していたわけではないが遠慮があったのは事実であろう。いまは無駄な会話は一切消えた。教室には私たち3人しかいない。

「舞香…」私はうつむきながら将棋を指している舞香の背中に向かって言った。

「なんだ?」画面から目を離さず答える。

「何キロ痩せた?」

「25」

 ということは今50キロくらいか

「ピッチャーになったの?」舞香はソフトボール部だ。

「ん?キャッチャーのままだが?」

「ご、ごめん…」私のジャブはアサッテの方向に空を切る。

「いや…」

 気にするなという意味だろう。

「お前金井君のこと好きだろう?」

「言うなよ?」

 別に誰にも言わん。言わんが…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ