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〈16〉合唱コンクール (2)

 この学校では秋にクラス対抗の合唱コンクールがある。各クラスの評価を違う学年の生徒や音楽教師が採点して順位を決める。そしてA組ではクラス委員の里奈が教壇に立っていた。

 「それではピアノ伴奏なんですけど~誰かできる人いませんか~」

 「はい」

 「はい。高岡君」

 「僕やります」

 「お願いします。それでは次指揮やってくれる人は…」

 誰も挙げない…

 「誰かいませんか~?」里奈はもう一度聞く。

 「お前がやれ~」

 教室のどこかから声がした。

 「あたしやったことないもん」と里奈が返す

 「誰だってできるよ」また違う方向から声がした。

 里奈はちらっと美琴を見る。美琴は上目遣いでこちらを見ていた。

 「あ~もう~わかった!あたしやります!」美琴のため里奈は指揮を引き受けた。


 数日後。


 今日は合唱の早朝練習である。教室には伴奏用のキーボードの前に座る高岡と、教壇に指揮の里奈、机と椅子を後ろに下げて作ったスペースの前でA組の生徒が並んでいた。しかし秋山グループがいない。里奈はやっぱりと思った。あいつらは来ないか…心の中で苦虫を噛み潰す。秋山グループとは秋山始め4人ほどの不良もどきで、こういうことには絶対参加しないだろう里奈は危惧していた。しかしとにかく今日の朝練はやらなくてはいけない。美礼は秋山グループなしで朝練を始めることにした。


 すでに朝練を始めた隣のB組からは統制のとれた完成度の高い歌声が聞こえてきた。秋山グループの参加を急がねばと里奈は焦った。

 練習の後里奈は今日の指揮について高岡に聞いてみた。

 「まあ別に適当に振ってくれてていいから。僕が合わせるから」

 「その適当が難しい」と美礼が言うと

 「それより秋山達に練習に参加するように言わないと、おれ後であいつらのところに行ってみるわ」と高岡が言った。

 「じゃああたしも行く」美琴のため里奈はこんなところで止まれない。

 「じゃあ二人で行こう。多い方がいい」

 「うん!」


 里奈と高岡は昼休みに二人で秋山達の所へ行った。体育館裏でたむろしてる秋山達に里奈は言った。

 「朝練ちゃんと来てよ」

 「朝練なんてだり~よ。当日は口ぱくでやるから。いいじゃん別に、お前らの青春ごっこに付き合ってられっかよ」

 「だめなの。ちゃんとやらなくちゃ!」里奈は正直に美琴と山下のことを言おうか逡巡する。

 「お前何青春してんだよ。じゃあ俺たちが真面目にやったら高岡と柏木が付き合う、っていうなら練習に出てもいいよ。高岡はお前のことが好きだからな」秋山は笑いながら二人を交互に見た。

 「おい、いいかげんにしろよ!なんでそうなるんだよ」高岡が怒鳴る。

 里奈は一瞬高岡を見るも次の瞬間美琴が頭に浮かぶ、とにかくここは嘘でもいいから条件を飲むべきか…

 そう考えた里奈は

 「わかったわよ付き合うわよ」と言っていた。

 「柏木もういいから」高岡がいさめたが里奈はもうここまで来て引きさがれない。

 「その代わり練習ちゃんとでてよ」

 「はいはい、約束だからな」と秋山が言った後また

 「あれだぞ、合唱コン終わったらちゃんとここで俺たちの前で二人でキスしろよ」と言った。

 「するわよ!」と里奈は言い捨てた。

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