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〈12〉

 舞香はソフトボール部、絵美里は吹奏楽部、金井君は軽音部に遊びに行くと言っていた。放課後、私は教室の窓に寄りかかっていた。

 美樹は取り巻きとどこかへ行った。

 美樹の取り巻き…男子4人に女子2人、教師に怒られない程度に制服を着崩して、あか抜けようと必死な彼ら。彼らにとってはそこに所属していることがカースト上位にいる気になれる場所らしかった。要は自分たちが「イケてる」集団なんだと思いたいらしい。美樹がアイドルになってからビビッて距離を置いたくせに、この前の席替えでそのうちの一人が美樹の隣になってからよく話すようになっていて、そいつを糸口にまた美樹との交流が再開している。

 彼らにとっては美樹が加わればカーストに箔がつく一方で、美樹の取り巻き、もっと言えば舎弟、金魚のフンなんて思われたら彼らのプライドは間違いなく傷つく…て言うか当然思われてる。カーストが全ての彼らにとっては美樹との関係はかなりデリケートな問題なはずだ。美樹とはあくまで対等であって絶対に美樹の下位にいてはいけないのだ。

 ただ美樹とは数か月の付き合いだが、彼女は人間関係の偏りをかなり気にするのを私は知っている。

 美樹は相変わらず昼休み、私と舞香と絵美里といるが(金井君は最近軽音部の昼練に遊びに行ってよくそこで昼食をとっている)、放課後は割と取り巻きと過ごすことも増えている。

 おそらく誰かと居過ぎることによって誰かの嫉妬や妬みがその矛先を美樹にではなくその誰か(もしかしたら金井君や、私や舞香や絵美里)の方へ行くのを美樹は事前に防ごうとしているのではないか?もちろん美樹自身からそんなことは絶対に言わないだろう。

 だから美樹の方から取り巻きのプライドを傷つけない程度に接して何かが爆発するのを水面下で防いでいる。

 だとしたらこの歳でそれができる美樹はやはり美人の達人である。

 なんて…今のはすべて私の勝手な妄想だ。私の考えすぎか…いや私の思い上がりか…

 私はカバンを持ち上げた。教室にはもう誰もいなくなっていた。

「さてと…」

 私はひとりごちた。

 


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