成就
Chapter3
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程なくし、リーテの住まうロワイエ何とかの城門を越し、駐留部隊の指揮所に着陸した。
(全然ビビってねぇし、、)
「小隊長帰還!敬礼!」
「…後は頼む。」
はっ!
手綱を部下A?へと渡し、飛竜はノソノソと自分の房に連れて行かれた。
「了解! して、その者こそが領土侵犯をしたものですか?!」
(、、正解です〜)
「中々どうしてこの者手強い故、中隊長へ期間報告へゆく」
了解!
快活な返事と共に持ち場へと戻る部下Bを後に、
先へ進む彼女の影に隠れる。
(何か自衛隊を思い出すなぁ、、)
手から滝の如く溢れる汗のせいもあり、何度か振り落とされそうになるも、何とか地に足を着けた事に感謝。。
「此方へ来い、話は中隊長に報告の後行う。」
レンガ造りといったら良いのか、高い城壁を持つこの都市。中でも、この指揮所は一線を画す程に白く美しい。
(さながら西洋の宮殿だな、、)
ぶっきらぼうな言葉にも何故か気品を感じる彼女の後を追い、中隊長とやらのご尊顔を拝見しようではないか。
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螺旋階段をのぼり、戸を開けると赤い絨毯が広がる長い廊下に出た。
「この先に中隊長がいらっしゃる。くれぐれも粗相をするでないぞ?」
(言われなくても分かってますよ、、)
ガチャリ、ガチャリと彼女は進む。
「そのアーマーは重くないのか?」
「…慣れだ。」
(重いようだ、、)
程なくして突き当りの兵が敬礼をすると、答礼を返し、
目の前の純白に金の装飾が施された扉に向かい、三回のノックの後、
「リーテ入ります!」
「…入れ」
(さぁ、どうなることやら、、)
「アドリアーナ小隊、リーテ大尉帰還致しました!」
「よろしい。して、その者か。」
「はっ!我が領地侵犯を察知し、すかさずアルバレスタを飛ばし向かった所、眼前でこの者は姿を消し、背後を取られてしまいました!」
(正直に言うあたり、この女好感もてるぞ、、)
「ハッハッハッ!」
アドリアーナ小隊の面子が潰れたな!
何故かご機嫌な中隊長の机上には、ご丁寧にネームが掘られた木製の盾があり、どうやら「ヘンリッサ・カナベラル」と言うらしい。
続けて、「して、その者名は何と申す?」
「トウヤ カサイと申します。目が覚めると、あの平原に居ました。」
「?家名持ちとは、お主貴族か?」
(そういう設定にしとこ、、)
「この地へ来るまでは、辺境伯を賜っていました。」
成る程、、失礼した。
今までの「変人」扱いから「貴族」扱いに変わったようで、改めて名乗られた。
(嘘だけどね〜、、なんか、得した気分)
話を戻し、俺の希望をリーテが伝えたところ、その腕、身分を考慮し、特例で市民権の上の特例貴族権を得ることに成功した。
これで食いっぱぐれないだろうか。。
Chapter4へ続く