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うつ病リーマン冒険譚  作者: うつ病リーマン
2/3

邂逅

Chapter1


まさかまさかの、、

夢で見た通り、現実では見たことのない大木が微かに

視える。


着の身着のまま、どうやら異世界に来てしまったようだ。


期待に胸を膨らませる一方、現実に残された家族を思うと、膨らんだ胸も萎んでしまった。


気だるさを感じるあたり、うつ病は完治してはいないらしい。


ただ、これが夢なら覚めないでくれと思う自分の卑しさに、また一人鬱屈となる。


如何せん、ここからどうするべきか、、

そう思案していた束の間、空の雲を突っ切って何かが此方へと敵意すら孕んで来るではないか。


周りに遮蔽物も無ければ、あの大木迄も走りきる自信が今は無い。


一か八か、「コマンド!」と発するや否や、現実世界で得たスキル欄が眼前に広がる。。


-------------------

ネーム:トウヤ カサイ

ジョブ:カイシャイン(休職中)

レベル:26

HP:1500↓/3000 MP:2500

スキル:

暗視

隠密行動

諜報活動

有線構成

暗号通信

射撃準特

普通車運転(眼鏡使用に限る)

地図判読

斥候

洋上潜入

潜水

空挺降下

ITパスポート

日商簿記3級

サービス介助士

ステータス:

うつ病(抑鬱状態:体力減衰状態)

-------------------


殆どが、前職で得た物でレベルは実年齢ということか。。

有り難い事に、ジョブとは不釣り合いな戦闘スキル持ちでの転移に成功した訳だ。


が、しかし、喫緊の課題として、飛来物に対する対応可能と思われるスキルとして、モノがあれば「射撃準特」で難を凌げそうだが、如何せんモノが無い。。


ならばと、「隠密行動!」

....

恐らく、発動したのだろう。

発した言葉に呼応し、身体が透けている。。


すげぇ~、なんてもんじゃなく、

これから起こる危機よりも、

身に起きた変化に期待せざるを得ない。。


とりあえず、このまましゃがんで様子見しかないか。


その刹那、ドカンっと、真横に飛竜に騎乗する女が

「…先程までは確実に視認したはずだが?」


どうやら彼女も何某かのスキルで彼我の識別をして

やって来たのだろう。


抜き足差し足忍び足っと、

女の背後に周り込むことに成功。


言語は都合好く、日本語として聴き取れる事から、

話は通じるようだが、彼女からの敵意をヒシヒシと感じる訳で、、


(武装解除させないとな…)


お誂え向きの大弓を拵えてらっしゃったもんで、

すかさず奪取。


「?!」


「動くな! 飛竜より降りて手を頭の後ろに組みしゃがめ!」


形勢逆転。こちらにはようやくモノが手に入った訳だ。

後は煮るなり焼くなり。。


「何者だ?!」


(こっちこそ聞きたいわ…)


「早く言うとおりにしろ! さもなくば撃つ!」


流石に急に眼の前から消え、音もなく武器を取られたとあっては従わざるを得まい。


「…分かった。暫し待て。」


自身の数倍の大きさの飛竜から、フルプレートでありながら軽々とこちらの指示に従うあたり、かなりの訓練を積んだ兵に違いない。


(飛竜に動きは無い、恐らく彼女の命令無くして動かないのだろうか…)


「お前の名と任務。そして、ここはどこか答えろ」


「我が名はリーテ・アルバド、任務は、我が領地における侵攻警戒。そしてこの地はロワイエ・ド・サラハン…」


(教えて貰ってなんだが、知らんなぁ、、というか、どうしようか、、)


「領地とは、この一帯の認識に相違無いか?」


「…そうだ」


「…お前は何者だ?」


(バカ正直に答えて良いものか、、悩ましいがそうせざるを得まい、、)


「目覚めたらこの地にいた。俺に敵意は無いが、開放の条件として、その、ロワイエ何とかいう都市への安全な入場。そして、身分の保証を願う。」


暫くの沈黙を破り、溜め息と共にどうやらこちらの

願いをきくとのことだ。


女が言う。

「ロワイエ・ド・サラハンだ!二度も言わすな!」


「…がしかし、身分の保証といったか?

 姿が見えないとどうしようも無いぞ?」


(というか、どうやって解除するんだこれ?、、)


つい見落としていたが、コマンド画面ではメリメリと

MPがけずられているではないか!

-------------------

HP:1500↓/3000 MP:900↓/2500

スキル:隠密行動(発動中)

-------------------


試しに「解除!」…成功したようだ。。

同時に減少していたMPも上向いてきた。


-------------------

HP:1500↓/3000 MP:1000↑/2500

スキル:隠密行動(解除)

-------------------


「これより、お前の前に出る。体勢はそのまま動くな。」


さぁ、第一村人?ではないが、ご対面といこう。


(フルプレート越しの眼から既に美人な気がする、、)


「??何だその格好は?」


(着の身着のまま、つまりこちらは全身ア◯ィダスのジャージだもんなぁ、、)


「一種の民族衣装と捉えてくれて構わない」

……

「それに類を見ない髪の色も気になるが…」 


「民族特有の遺伝だ。」

……

「体勢はそのまま、兜だけ取れ。」


ガッチャンっと、重たそうな兜を取ると、

風に靡く美しいブランドヘアーの妙齢な女がいた。


「…これで良いか?」


(妻よ、すまん。めちゃタイプです、、)


「、、良し! こちらも武装を解く」


「?何が良いか分からぬが、貴様のスキルも解けた事だ、援兵が来るぞ。急げ!」


ありがたや、妙齢の美女に腰を回しツーリングならぬ

エアーリング?となり、一先ず中隊長室目掛けひとっ飛びだ。


(落ちたら流石に傘も無いし、死ぬな、コレ、、)


Chapter2へ続く

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